9/11
休日の夜
水面に浮かぶは 男の顔 一番見たくない男の表情
波紋が広がるのは 浮かんだ顔を殴ったせいか それとも止まってくれぬ涙のせいか
水面に浮かんだ顔殴る度 何も変わらぬ事をただ思い知る 無力さだけを思い知る
無力さは別の無力さに連結し 昼間にみた光景を頭に浮かばせる
裏通りの子供達 病気で苦しむ親子連れ 連れていかれる奴隷達
まるで無力さを糧とするかのように 自己嫌悪が這い上がり 蛇のごとく絞めかかる
その苦しみから男は逃げれぬ いや 逃げれば始まらないことだけ知ってる だから男は逃げられない
今日が無力であろうとも 明日は誰にもわからない