表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
教えて欲しいこと  作者: 9ma
4/14

ふたりきり


ドアを開けるその姿が、ちょうどさっきまで思い出していた出会いの時と重なる。


「いらっしゃいませ。…すいません、まだ弟帰ってなくて。…入りますか?」


こんな声だったっけ。


初対面の時より更に上ずって緊張した声が問いかける。ちらりともこちらを見ない一葉君に、どうしようかと迷う。いや、家庭教師に呼ばれているのは毎日のことなんだから、迷う必要なんかないけど。


怖がられてる?

いや、嫌われてる?


難しいな、子供って。

って、彼は高校生だし子供なんて言ったら失礼か。



ぐるぐる考える頭とは逆に俺の口はあっさりと答えを出していた。


「帰ってくるまで、中で待っててもいいかな?お邪魔します。」


その俺の言葉に、一葉君の肩が揺れる。


はい、

と慌ててドアを大きく開けるとあの日のようにきちんと並べてスリッパを出してくれて部屋まで案内される。


もう部屋の場所は知ってるんだけどなぁ。


こういう所が微笑ましい。

しっかりしたその外見とは違う、少し抜けている…というかズレてる所。


マニュアルみたいに、部屋まで行って座布団出されて、


今は冬だからだろう、温かいお茶を置くと一礼する。


そんな一葉君の腕を、思わず引き止めてしまったのは多分暇だったからだと思う。


驚いたみたいに振り返る顔は、全く似ていないはずなのに思いがけず問題を正解してびっくりした二葉君の顔に似ていた。


「ちょっと、話し相手してくれない?」






評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ