表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
18/23

第十八章「切り出せない言葉」

★第十八章「切り出せない言葉」


「……いいえ。」エリックは短く、感情をこめずに

そう、嘘をついた。

「三日前の深夜、君の家が家事になった。

 僕たち警察はまだソノ事を君に伝えていなかった。」

レザックははっきりとそう言ったものの、

顔はずっと下を向いている。「本当に残念な事で、君の家は

跡形もなく焼けてしまっている…。」レザックは辛そうに言った。

エリックはなんと言っていいのかわからず、「そうですか…。」

と一言言った。まるで他人事みたいに。

レザックはその冷たい口調に驚いたが、すぐに顔を伏せ、

話を続けた。「実は…、とてもつらいことだと思うけど、

コノ火事は、ただの誤りではなく、放火の可能性があるんだ…。」

レザックは唇の渇きを満たす為、舌で唇を一舐めした。

「そうですか。」今度もエリックは、他人事のような口調で言った。

自分でも驚く程の冷たい声で、それも前よりハッキリと。

普通なら自分の家が放火されたというのに、こんな冷たい他人事の

ように言うのはおかしい、と疑うが、レザックはそれどろこではなく、

両手を握って話を続けた。「ソノ放火犯は間違ってやってしまったのかも

しれない…。酔った勢いで誤って火を付けた可能性もある…。だが…。」

レザックはゆっくりと話した。ダメだ…、コレ以上は話せない。



しかし、そんなレザックとは裏腹に、エリックは苛々してきた。

本当にしっかりしていないな、コノ人。ハッキリと言っちゃえば

いいのに…。


こんなことなら、ストゥービング警部に来てもらったほうがマシだったかも。

アノ人ならきっと、君の家を放火したのは、どうやら君の父親、

デイヴィット=マックガフィンという可能性がある、と。


エリックは何気なく思っただけだが、実際にデイヴィットが放火したのだ、と

思うと、胸がしめつけられそうになった。──碇の首飾りがほしい…。



レザックはそれからもずっと言葉を切り出さなかった。

ただ、エリックに残念だった、とか放火犯誰だろうね、なんて

馬鹿らしいコトを言っているだけだった。

そんなレザックにエリックは業を煮やし、「あの、ストゥービング

警部さんが没収した、僕のアノ碇型の首飾りありますか?」と、訊いた。

レザックはすぐに我に返り、ジャンパーのポケットからすぐに碇の首飾りをだし、

エリックの手に握らせた。

今日、ストゥービング警部に返してきなさい、と

言われ、すぐ返すつもりだったが、どうやって放火のコトを伝えようか

悩んでいて、ずっと忘れていたのだ。

「ありがとうございます。」エリックは碇の首飾りをつけながら礼を言った。

「えっ何が?」レザックはドキッとした口調で言った。

自分が無意識に火事のコトを話してしまったのでは、と思ったのだ。

「首飾りを返してくれて…。」エリックは呆れながら言った。

レザックは短く「ああ…。」と答えたきり、また黙りこくってしまった。




十分後──。エリックは、コノ空気に我慢できなくなって、

とうとう恐ろしい言葉を口にした…。


「あの、もしかして、

僕の家に火をつけた放火犯は、僕の父ですか…?」



一日に二話投稿です。

アメのちクモリと同じです…w

感想・評価ヨロ(*- -)(*_ _)シクですw

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ