第十六章「待ち合わせ」
★第十六章「待ち合わせ」★
朝──。
AM9:00。やはり寒い。
エリックは腕時計を見ながら、自分の付き添い、所謂、
監視役が来るのを待っていた。
ソノ者との待ち合わせの時間まであと十分。
エリックは今待っている人が誰なのかわからない。ただ警察官、と
いうのは確かだ。あと、昨日、白い部屋にきたアノ五人組の一人だ、という事も。
女看護師から伝えらのは、前あなたの病室に来て話した、ラルフ=ジョースキー
さんがこの病院の外庭で九時十分に迎えに来るからね、だけだった。
あなたの病室に来て話した、と言っても、実際エリックはアノ、碇の首飾りと、
父から貰った【ANCHOR】という題名の本を取り上げたストゥービングとかいう
警部としか話していない。他の三人は名前を何回か聞いたかも知れないが、
誰が誰かは全然覚えていない。なので、ストゥービング警部ではないのは確かだが、
他の三人の誰が来るのかは全くわからない。
遅い─、エリックは苛々してきた。約束の時間はまだ過ぎてはいないのだが、
この寒さと、火事の被害者である筈の自分が待たされていることに苛々していた。
大体、付き添いなんていらなかった。自分が外へ出たいと思ったのは、気味の悪い
寂しい病室から出たいことと、外の空気が吸いたいだけだ。別に変なことをしようなどとは
考えていない。一人で外を散歩していたいだけなのだ。それなのに警官が付き添って
くるなんて…、最低だ。またアノ、ストゥービング警部みたいな奴なのだろうか…。
それともわざと優しく接して、前のお父さんの状況はどうだった、お父さんはどんな人
だった、暴力を振られてはいなかった等と誘導尋問してくる警官なのだろうか。
エリックにとっては両方嫌だったが、誘導尋問してくる方は一々答えなくてはならない
ので、どちらかと言うと前者の方が良いかもしれない。
エリックはもう一度時計を見た。9:08。約束の時間まで後二分。
「ハァ……。」エリックは長い溜息を吐いた。
ち、こ、く、だ。レザックは心の中で叫んだ。
肩に付くか付かないかの髪を手で溶かしながら、
左腕に付けているデジタル腕時計を見た。9:12。
なんて火事の事を報せれば良いか悩んでいたのと、
ラルフのかなり的外れな応援を聞いていた
御陰でこんな時間になってしまった。
レザックは慌てて制服から私服へと着替えた。
警官の制服を着たまま散歩だと周りの人が不審に思うだろうし、
エリック少年が嫌がるに決まっているからだ。
着替えが終わるとすぐに病院の更衣室を出た。
本当は走って外庭へ猛ダッシュしたいところだが、
病院の中なのでそうもいかない。警察署も病院もどうして自分の居るところは走る事
ができないんだろう…。頭にそんな疑問が過りながらも、
レザックは外庭へ早足で向かった。
昨日は爆睡で投稿
できませんでしたorz
今度からほぼ毎日投稿するので
ヨロシクですミ☆(o_ _)ozzz