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猫耳姫巫女と聖なる槍の担ぎ手と  作者: 三歩
暗躍をやめて表舞台でやりたい放題の巻
59/72

11

今回は三人称ぽい語りです…




コータとブルート。

2人の戦いは激しい力と力のぶつかり合いとなりました。

コータは戦士としてはまだまだのようですが身体を包む金色の輝きがあらゆる攻撃を弾きます。

竜の真音の力を直接発現させる、いわゆる裏技です。


「バケモノか!貴様は!」

「気持ちは分かるが…傷つくんだよ、ぐはっ!」


一瞬うっかり動きを止めたてしまったため、死角から来た尻尾の攻撃を避けきれず弾かれました。

床に叩きつけられる直前に床から氷の柱が突き出して来て打ち上げられます。

さらにそこへブルートの牙が襲いかかります。

三段攻撃が決まりブルートが噛み付いたかと思われた瞬間!

コータはひらりとかわしました。

かぷっと噛みそこねて隙ができたブルートにコータの回し蹴りが決まります!


「グシュアー!」


ブルートは壁を突き抜けて、外にまで吹き飛ばされてしまいました。

魔王城の玉座の間は高いところにあったので、ブルートは空中で体制を整えて地面に降りました。

コータもあとに続いて降りて来ます。

よくみると周りは武装した魔人達が囲んでいます。


「聖竜賢者よ!囲まれているぞ…降伏するなら今のうちだ!」

「…降伏するなんて、ちっとも思ってもないくせに。」

「ふふふ、伝説の【竜】の魔法を無詠唱で発動しただけでなく、念で制御するか…。貴様は大魔王か!」

「シェリーさんとかぶる…」


話しの途中でブルートは尻尾を振りコータの足を払いました。


「だが!いかに力があろうと”人”では魔王に勝てはしない!」


体制の崩れたコータの身体に蛇の身体が巻きつきます。


「…言い残すことはあるか?」

「…あのさあ、もしこんな風に、敵に包囲されたとしたら…ブルートはどうする?」

「いったい何のつもりか…。一人残らず屠るに決まっておろう!」


コータはニヤリと笑います…。


「じゃあ…決まりだ!」

「うぉ!?」


コータとブルートのいる場所が太陽よりも輝きます。

包囲していたブルートの部下たちはしばらく動けず…。

視力が戻ったときには、そこに2人の姿はありませんでした。


「魔王様は⁉」


キョロキョロと当たりを見回す部下達の一人が1枚の紙切れをみつけます。

書かれていたのは、


<ちょっと魔王を借りるね。値段はまけて♡聖竜賢者より>


それを見つけて読み上げた…新しくブルートの副官になった…モノは呆然とした顔でつぶやきます。


「まけてって…いくら?」

「「「気にするところが違うー!!!」」」


周りのモノ達はその発言に一斉に突っ込んでしまいました。




こうして…この世界では前代未聞となる魔王レンタル事件(?)が起こったのでした。

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