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猫耳姫巫女と聖なる槍の担ぎ手と  作者: 三歩
暗躍をやめて表舞台でやりたい放題の巻
57/72

9

3魔王ブルートが語ります。




「馬鹿な!4の大地の者が離反しただと!」

「はっ!4魔王テスが率いる3の大地の者と共にこの5の大地に攻め込んできております。

その進軍速度は矢の如く!」


私はその報告を聞き耳を疑う。

というのも、この3年は近隣の情勢に大きな動きはなかったからだ。

3年ほど前、マーフィーから魔王の力を譲り受けたテスが4魔王となった。

そのテスが支配する3の大地を2の大地を支配する1魔王が攻撃。

そのような状況が続いていたはず…。


「カーリーは?2の大地を支配する1魔王カーリーは何をしている?」

「そこまでは…。」


敵地である3の大地のさらに向こう側のことなど…そうそうわかるものではない。

報告をしていた者は困った顔をしている。

どうやら、私の不評をかって氷付けにされるのを心配しているようだ。


「テスとカーリーが組んだ?」


テスは魔王に成り立ての新人。

長く魔王を務めているカーリーは自尊心がとても高い。

決して2人が組むようなことはない、と推測していたが…。


「全兵力をこの城に集結させよ!決戦だ!」


伝令を送り出すと…私は玉座に座り込んでしまった。


「何が…何が起きたというのだ。」


たしかに4の大地は元々は大魔王シェリーが支配していた地。

シェリーの副官を務めていたテスのほうが私より信用がある。

それは私もよく知ったことだったので離反しないようにかなり心を砕いていたのだが。


「まだ何も起きてないよ…。起こるのはこれからさ。」


目の前に立っていた少年に声をかけられるまで、考え事をしていた私はその存在に気がつかなかった。

いつの間に!


「マーフィー…いや、貴様はコータか。」

「初めまして、3魔王ブルート。

いつぞやはお世話になったね。」


私は呪士にこの少年…コータを呪い殺させようとしたことがある。

そのときは名前も知らなかったが。

コータは魔法の鏡が”私よりも危険な存在”として映し出した。

私が殺しそこねてからの3年で、コータは大陸中に名を売った。

この少年は大風を予想できる…。

殺そうとした私にも台風の被害予想を知らせてきた。

…阿呆だと思っていた。

最初は何か裏があるのではと私は思っていた。

しかし、コータは何も要求してこなかったので、私はコータをマークはしつつも放置していたのだが…油断したか!


「あのときの仕返しにでもきたのか?

…ハッ、まさか!」

「そう、聖竜賢者の名前を使ってね…カーリーさんはしばらく静観してくれるってさ!」

「き・さ・ま・〜!」




おのれ!

ただでは済まさん!

私こそが一番危険な存在としてふさわしいのだ!

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