6
竜が住まうという中央山脈は、何者かが施した結界によって普段は近づくことができない。
俺の得意な天視の魔法を使って覗くことさえできなかった。
今は結界が解かれているのか、ミルがいるからか…、すんなり山脈に近づくことができた。
神殿付近を旋回ながら少しづつ高度を落とす。
眼下に見える神殿は白く、大きくて立派な建物だ。
広い庭もあるし、敷地の入り口らしい大きな門が見える。
誰か管理してる人がいるのかな?
直接神殿の敷地内に降りてもよかったけど門から入ったほうがいいよな。
門の近くに着陸して地面に降り立った。
そしたら門が開かれ、女性が一人出て来た…。
さっき上からは見えなかったぞ?
「お待ちしておりました…ミルフィーユ様。
まあ、そちらはコータ様ですね。
聖竜賢者様のお噂は以前から聞き及んでおりました。
お会いできて光栄ですわ。」
「いやあ…。」
はは、正体ばれてんだったらクーに乗ったままここにきても良かったじゃない?
しばらく雑談をして情報を引き出してみた。
彼女はこの施設の管理をする一族の者なのだそうだ…信託のあったときだけ試練の用意に来るそうで、普段からここに住んでいるわけではないようだ。
それにしても綺麗な大人の女性に真正面から褒められると、…つい頭をかいてしまう。
誰が言い出したものか…最近は聖竜賢者って呼ばれることが多い。
なぜかっていうと…。
切りが悪くてすいません。
m(_ _)m