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ミル…ミルフィーユは、ファイガード王国の第2王女であり女神アンノルファイに愛でられた者の証である猫耳をしている。
ミルは”王族で猫耳”という条件をクリアしている者のみが成れる特別職”姫巫女”という存在だ。
この姫巫女という存在はファイガード王国では国民にとても人気がある。
その人気は子供から老人まで幅広く、とても愛されている。
ミルはファイガード王国の国民的美少女アイドルなのだ。
人気の秘密の一つに姫巫女のみが扱える”祝福”という魔法の存在がある。
この魔法のおかげでファイガード王国は過去何度も国家的危機をくぐり抜けてきたという経緯があるからこその人気のようだ。
因みに俺がここにくる原因は、聖なる槍というものに俺が突き刺されてこの世界に引き込まれたからだが、この槍を召喚したのがミル。
最初はそのことで俺に気を使っていたようだが、最近は俺の方を振り回して楽しんでいる。
金竜のクーの背中には俺が前、ミルが後ろに座って乗っている。
後ろを振り返ると、結構すぐそばにミルの顔と猫耳が見えた。
オレンジ色の髪がゆったりと風になびいていて、瞳はまっすぐ俺を見つめている。
…ちょっと近すぎたのでスグに前を向いてしまった。
「…えっと、もう少しで着くな。」
「うん!」
この3年で俺の背が伸びたように、ミルも背が伸びた。