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猫耳姫巫女と聖なる槍の担ぎ手と  作者: 三歩
人生やり直しの巻
47/72

ひとまずの決着

コータが黒竜に飲み込まれて魔法の鏡にコータが映らなくなった…。

黒い闇が映るだけ…。

この部屋は不気味な静寂に包まれている…。

魔王ケンプの副官ブルートの部屋はかなり広い。

今ここにいるのは、ブルートと呪いの術師、蛇族の魔人の岩蛇、炎蛇、飛蛇の5人。

術師の老人は座禅を組んで目をつぶり、ブツブツ呪文をつぶやいていたが…身体が青白く輝き始めた。

老人の身体に氷の結晶が浮かび上がって包み始めた。

これはブルートの呪いか…裏切ると発動するタイプだな。

鏡面がまた映像を映し始めたとき…コータが金竜に乗って空を飛んでいるのが見えた。

ヤッパリスゲー!

俺を楽しませる天才だよな、コータは〜。

ケッケッケッ。


「ふふ、見事な”開放”じゃ、呪いを解かれたわい。一言の助言だけで…真の天才じゃ…本当に弟子に…欲しくなったのう…この歳で…初弟子を…取りたいと…思うとは…笑…え…」


そうつぶやきながら崩れ落ちる老人の身体の表面に次々に氷の結晶がいくつも浮き上がる。

その老人を魔人ブルートが冷たい目で見下している。


「役立たずめ…そのまま凍え死ぬがいい!」


ブルートがそう言いはなって部屋を出て行こうとしたとき、不意に声をかける者がいた。


「蛇族の族長よ、貴方を見限らせてもらう。」


そう言って岩蛇は老人にマントをかけた。このマントには呪いを弱める効果があるルーンがびっしり書かれている。


「ご老人、飲むがいい。氷の呪いにはよく効くそうだ。」

「マズイし、からいケドな、ソレ。ケッケッケッ。」


「身の程知らずの愚か者どもめ。」


ブルートが魔力を紡ぎ始めた。

岩蛇達の前に炎蛇が進み出てブルートと対峙する。

炎蛇も魔力を紡ぎはじめる。

それを見てブルートがあざ笑う。


「貴様の炎でどうにかなると思うなよ!」


やがて術が完成し、両者が同時に魔術を放った!


「【氷】【結】【破】!」

「【熱】き【旋】【風】!」


炎と氷の魔術がぶつかり部屋が吹き飛ぶ!

大量の水蒸気が姿を隠す。

その隙に岩蛇と老人を回収する。

…ついでに鏡も。


「馬鹿な…炎蛇ごときがこれ程の…!!貴様ら!テス!マーフィー!」

「ケッケッケッ。なっテス!オモロイだろー。」

「先に説明くらいしろ!たくっ!お前は昔からそういうヤツなのだから!」


そう、炎蛇に化けたのはテス。

飛蛇に化けてたのはオレ、マーフィーだ!

3魔王城に潜入させて置いた岩蛇達に、たまたま情報を聞きにきていたんだがコータが狙われているってんで急遽テスを誘って見物させてもらってたわけだ。

今回の件、写しのコータが死んでオレも死ぬかもしれなかった。

だが、あいつがここで死ぬ様な男だったらオレは…俺達はそこまでだったってコトだ。

まあ信じてたけどな。


「ブルート!この前の借りを返させてもらう!」

「ふんっ!マーフィーと2人がかりか?」

「わたし1人で十分だ!マーフィー、先に行け!」

「んじゃ、あとよろしくー。」

「テスよ…実力の差は教えてやったはずだ!」


ケッケッケッ!

先日シェリーが行方不明になった日、テスはブルートに力勝負で負けたらしい。

あいつ負けず嫌いだからな、これだけ見ていこう。


再度、ブルートとテスが放った炎と氷の魔術がぶつかる。

先程よりはるかに大きな衝撃に今度は3魔王城全体が震えた。

テスはそのままの位置にいる。

ブルートは…押されて下がっている。


「そんな…まさか!…マーフィーから”4”を…”魔王”の力を譲られたのか!」

「私が貴様に手も足も出ないで倒され封印された経緯を聞いてのマーフィーの推理、”3魔王をケンプから譲られている”は当たったていようだな…。」

「マーフィー!貴様は!…この、この力を!惜しくなかいのか!!」

「ケッケッケッ、いらね〜し~!ケンプのヤツはどうだった?渋ったかい?」

「…。」

「テス…派手にやりなー。」


後をテスに託して空に飛び立つ。

テスなら1人でも大丈夫。

オレはもう魔王ではない。

だが今なら魔王でもけちらせる気分だぜ!

それに逃げる実力なら元々”世界一”だしー!

…ここ、コータなら突っ込むかな。

それにしても、これだけしてもケンプの気配がない。

やはり…2人はここではないか…。

影族の最後の生き残り…。

姫巫女シェリー…生きてろよ。


読んでもらってありがとうございます。

次の構想が白紙なので、1ヶ月ほどお休みをもらいたいとおもいます。

2月1日から再開いたします。

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