姫巫女とのデート(4)
コータが語ります。
鉄砲魚…でっかいから大砲魚かな?
真っ直ぐこちらに向かって来る水柱をそのまま受けるわけにはいかない、魔法を聖幕に切り替える。
かたちは球体、当然聖幕は海水なんかでどうにかなるものではない。水に押されて打ち上げられたかたちになる。
「ひゃーひゃー!コータ!」
詠唱魔法「幕」つまり魔法飛行機を消したので、ミルが抱きついて来た。
聖幕の一部を糸にして四方に打ち出して姿勢を安定させる。
と、今度は陸地に向かって落ちていくので太い糸を出して地面に打ちこみ螺旋状にかたちを変化させた。
ビヨヨーンとスプリングみたいに落下の勢いを吸収させた、我ながらグッジョブ!
「ミル、大丈夫?」
「コータ…」
あれ、少し潤んだ瞳でミルがこっちを見ている。
抱き合っているし…吊り橋効果?
ミルが目を閉じた。
おいおい10歳だろ、お子様だろ。
しかし、今目の前にいる少女は…猫耳で…可愛くて…間違いなく美少女だ。
俺も…目を閉じる…そして…
「あっ、クレア〜。もう伝話の魔法出来たんだ〜さすがクレアだね。…うん、…うん、…うん、…あー大変なことになってい…」
「コータのばぁかぁー!」
クレアの張り手をうけて頬にもみじが…なぜ?
10歳にさせませんよ(笑)