魔法実験を兼ねてのピクニック(1)
カタンコトン…夏が近づいて来ていることを知らせるような日差しの中を2頭だての馬車が走る。
馬車の中に乗っているのは俺とファイガード王国第2王女であり女神アンノルファイに愛でられた存在であることを示す猫耳をしているミル、エルフで俺の先生兼メイドのクレア、俺の「写し」である4魔王マーフィーの4人だ。
後、別に1騎…女騎士が付いてきている…第1王女のサーラ姫だ。
クレアが俺の元に来てから1ヶ月あまり、その間に魔法の基礎は納めた。
カード魔法はバッチリOKだ!俺はカード魔法が発動してから”扱う”ことに関してはマスターしていたに近いらしかった。ただ、発動させるのに必要な魔力を絞れていなかったようだ。例えるなら空気のいれすぎで自転車のタイヤをパンクさせるような感じ。
クレアに複数のカードを心ポケットに入れて魔法を扱えることを見せるとびっくりしていた。やはりこれが出来る者はいないようだ、クククッ。ちなみに「聖幕」の魔法カードも修理されて戻って来たぜ!
今日は俺の詠唱魔法の実験のため王族の別荘地に向かっている。
俺は魔力の量が底なしのようで間違っても王城の中で魔法を暴発させないために、という配慮である。
ただ、クレアが「ピクニックみたいですね〜、お弁当でも作りましょう〜。」なんて言ったため、ミルが「ミルも作るのー!」てことになり昨日は大変だったらしい。夕べの食事の品目が少なくてコックさん達が王様に謝っていたが…たぶん原因はミルだろう、何が起こったのか怖くて聞けなかったが…王様はノープロプレムって言ってた。本当にフランクな王様だよな。
今の車内の配置は進行方向に背を向ける形でクレアとマーフィー、進行方向を向いて俺とミルが並んで座っている。マーフィーは今朝帰って来たばかりだ。みんなで情報交換をすることになった。