マーフィーと3匹の蛇(2)
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岩蛇が自分とマーフィーを包み込むようにして作った岩ドームができています。
暫くしてドームは無くなり元の地面に戻りました。
そこにいるのは岩蛇だけです。
その岩蛇に2匹の蛇が近寄って来ました。
1匹は羽が生えている飛蛇。
もう1匹は息をするたびに炎を口から漏らしている炎蛇です。
岩蛇を倒してマーフィーが出て来たら彼らが相手をする2段構えの作戦でした。
「フシュー!上手くいったようだな!」
「魔王とはいえ攻略法さえ分かっていれば恐れるほどの相手ではないな!」
「マーフィーさえ…倒せば…この者は…喰らって…いいのだったな。」
そう岩蛇が言うと小岩が割れて中から赤い毛並みをした狼が転がり出して来たました。
身体は岩の縄で縛られています。
「よし飛蛇!報告して来い!」
「フシュー…」
炎蛇に飛蛇は視線を投げかけます。
赤い狼を喰らえば強くなれるからです。
魔族は強い者に従いますが常にその力を狙っているのです。
マーフィーを喰らった岩蛇は強くなっていることでしょう。
この獲物を逃せば飛蛇と2匹とは実力差が大きくなるのです。
ですが結局この中で一番弱い飛蛇は諦めて報告に行くことにしました。
同じ蛇族だから他のことで穴埋めする約束を実はもうしているのです。
「さてと、いただくとするか。」
炎蛇は大きな口を開けて赤い狼をひと口に飲み込もうとしました。
しかしそのとき岩蛇が巻きついて来て身動きがとれなくなりました。
「フシュー!ずるいぞ!こいつまで喰らう気か!」
炎蛇の問いに答えぬまま岩蛇は締め付けを強くします。
しかたなく炎蛇は炎そのものになる自身のスキルを使い戒めを逃れました。
が、その炎をバクバクっと喰らうものがいたのです!
いつの間にか戒めをとかれた赤い狼でした。
炎狼というこのものは炎が大好物なのです。
「ガフシュー!」
食べられて小さくなった炎から元の蛇に戻った炎蛇は変身が解けて人型に戻ってしまいました。
地面に両手を付いて荒い息をしています。
その横に岩蛇も転がり人型に戻ります。
こちらも苦しそうにしています。
その岩の蛇だった男の口から黒い影が出て来ました。
そう魔王マーフィーが中から岩蛇を操っていたのです。
「すま…ん。無念…。」
「ぜえっ…ちっ、そういうことか!ブルート様の策は失敗したか!」
「並の影族なら通じたさ…相手が悪かったな(危なかったけど…コータの真似しといて正解だったよ)。」
実はマーフィーは空を飛んでいる最中に影と触診のカード魔法を併用してこの辺りを探っていたのです。コータのように複数のモノを探れませんがでしたが3匹がいることを調べていたのです。
3匹のステータスを探り岩蛇だけが闇(魔)属性の魔法カード「星の光」を持っていたのに気がついていたのです。
魔族はカード魔法に頼るものはほとんどいません。
自分の力が全てだと思うものが多いからです。
マーフィーは影族の自分への対策が立てられていることに気がつきました。
わかってさえいれば対処方法はいくらでもあるのです。
例えばとぐろに巻きつかれればそこに影が生まれます。
大蛇の大口の中にも影が生まれます。
「テス…久しぶりだな、相変らず美しい。」
赤い狼は真っ赤な髪をしたグラマーな女性の姿になっていました。
「こいつらは、私が喰らう。」
やはりこの女性も魔族のようです。