マーフィーと3匹の蛇(1)
おとぎばなし風の語りをしてみました。
ここは6の大地です。
時計の盤のような形をしたこの大陸では、6時の1時間分の範囲を「6の大地」と呼びぶのです。
この地は、人間側と魔軍側とが何度も何度も戦いを繰り広げた悲しい土地です。
そのために瘴気と呼ばれる濁った霧のようなもので覆われて生きるものが住まうのに適した場所はごくわずかしかありません。
夜には骸骨が歩き回り生きているものを襲います。
相手が人間でも魔族でも関係なく襲いかかります。
そんな土地のあるところに黒髪の男が空から舞い降りてきました。
しばらく歩くとある一点…小さな岩…を見つめてふうっと息を吐きました。
「ようやく見つけたぜ!」
男は急にふわりと跳躍して10mほど後ろに下がりました。
今までいたところの地面が岩の口となってバクっと閉じたためです。
「あっぶないな〜」
言葉とはうらはらにさして驚いた風でもなくその男…マーフィーという名前なのですが…は口笛を吹きながらそうつぶやきました。
石の口はそのまま蛇の頭となって地面に出てきてとぐろを巻きました。
そこにいるのは岩の大蛇です。
「フシュー!さすがは…魔王の肩書きを…持つだけのことは…ある。」
「気配に覚えがあるな。3魔王ケンプの副官ブルートの手下か?」
「そのくらい…わからぬわけでは…あるまい…我は岩蛇と申す…では…参るぞ!」
そう言うと岩蛇は何かの呪文を唱えました。
するとマーフィーと岩蛇を包み込むようにして岩のドームが出来上がりました。
真っ暗闇になりましたがマーフィーは慌てません。
彼は魔人の中でも影族と呼ばれる部族の出身なのです。
影を自在に操る彼ら影族にとって暗闇は最も安心できる場所なのです。
「星の光よ!」
今の言葉は、魔軍側の共通語…つまり魔法の言葉ではありません。
しかし、この空間のすべてが光りはじめました。
「カード魔法か!それにしても…何故知っている!」
「フシュー!ブルート様は…全て…お見通しだ。影族の力は…使えまい。」
そう言って迫り来る岩蛇から力を失ったマーフィーは地面を走って逃げ回ります。
しかし、この空間に逃げ場所はありません。とうとう追いつかれてとぐろに巻かれてしまいました。
「覚悟!」
大きな蛇の口がマーフィーに迫ります!
ああ、このまま食べられてしますのでしょうか?