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猫耳姫巫女と聖なる槍の担ぎ手と  作者: 三歩
人生やり直しの巻
22/72

突入!ファイガード城(2)

ミル(ミルフィーユ)が語ります。



「ふはははははははは!あーはっはっはっは!」


マーフィーがあげた笑い声が王城内にこだまする。ここは王城の中、私がよく知っている場所なの。

私の話から入りやすいところをとおってお城のなかに入るとマーフィーはワザと姿を見せたの、大魔王シェリーの格好で!

そして目的の謁見の間まで向っている真っ最中。この時間、謁見の間の近くで王…お父様は仕事をしている事が多い。それに何かあったらそこに兵を引き連れて防御に当たると聞いた事があったからなの。


「まっ魔王だ!大魔王シェリーだ!」

「衛兵!集まれー!うあああっ!」


マーフィーが黒い何かをあちこちに打ちまくっている。


(火炎系のほうが見栄えがするんだがなあ…ダメか?)

「(ヤメテー!)」


思わず声を出して叫んでしまった。


(却下だ!もっと手加減しろ!死人を出したら元も子もないんだからな!)

(めんどー…。)


今、私とコータはマーフィーのなかにいる。マーフィーの持つ「影懐」という特殊スキルが作り出した空間?にいるのだけど、あんまり気持ち良くないの、ココ。でもマーフィーの視覚を通して周りを見る事ができるのはとっても便利ね。

マーフィーの攻撃で自分の見知った場所が吹き飛ぶのを悲しい思いで見届ける…うん、…全て私のためなのだから。


(この先、約50人、強いのがいる、力、魔力、色々だ!)


コータは本当にすごい!「聖幕」と「触診」のカード魔法を同時に使って感知系の魔法を作り上げた。「センサータッチ」と言っていたが驚く程遠くのものまで情報をつかむ事ができた…この人には驚かされてばっかりだな…コータといると胸がワクワクする。

コータは世界を救ったというのに全く報酬を求めてこなかった…私が子供だったからかしら?

それだけじゃない!私を家族の元へ戻すためにこんな危険な事もしてくれる。感謝しきれない存在だ…とても魔王の「写し」とは思えない。


(団体さんか!どうする!必殺技使うか?)

(GOだ!必殺技使え!時間がかかりすぎた!)

(2人とも必殺技って言うのヤメテー!)


やっぱりコータは魔王の写しでした(泣)。そう…私が”必殺技”なの!


(出すぞ!)


マーフィーの中から出された私の体を、マーフィーは左手から植物のツタのようなものを出して絡め十字架に張り付けられた様な状態にする。


「攻撃したければやってみろ!ミルフィーユ王女が死ぬ事になるがな!ウワハハハハハハ!」

「ミルフィーユ姫!生きておられたか!」

「姫巫女様!」

「な、なんということを!」

「姫を盾に!」

「人でなしめ!」

「オニ!アクマ!」


私が盾にされたので皆が攻撃をためらう。マーフィーはその間に彼らの頭上を飛び越した。

因みに、通り過ぎるときにいくつか攻撃がマーフィーに向いたが全てがコータの聖幕に防がれる。今、聖幕はコータのイメージ(?)というもので黒く染まっている。「闇幕」という「聖幕」と対をなす闇(魔)属性の防御魔法を偽装しているって。


(ヤッパリこれだぜ、魔王っぽくてキモチイー!よしっ!あそこの大扉だな!突っ込むぜ!)

(バカ!まだ中を感知出来て…)


コータの突っ込み発言が言い終わる前に中に謁見の間に突入してしまった…。

かなり多くの人がいた、…手や武器を輝かせた人達が。その人達が一斉にこちらを向いた!私に向けて魔術を放とうとしていたの!ひゃー!


(やべ!)

(ミルを中へ!)

「打てー!」


私がマーフィーの中に引っ込んだ瞬間、爆風に空間が揺れた。冷や汗がだくだく流れる。


「ダイジョーべ」


まだあまりしゃべれないコータは、多分「大丈夫」と言おうとしたのかな?コータの両手が…聖幕の起点ていってた…忙しく点滅している。一応、かなりの攻撃に耐えられると聞いていたけれど…怖かったの…コータをみて安心成分を補給!うん、もう大丈夫!


(ミルとの訓練のおかげで、反射スピードが上がっててよかった。いくら「聖幕」が2枚あっても展開に時間がかかるし、タイミングが難しいんだ。)


コータはマーフィーに色々なカード魔法を集めてもらっている。その中にもう1枚「聖幕」があり、コータは心ポケットに2枚「聖幕」を入れている。これを1枚づつ連続で貼り続けることで、途切れることのない防御を行うって言ってたの。

「小石投げつけの訓練」のことを褒めてくれたのは私を励ますためにいってくれたのかしら?

攻撃が一旦止んだ…どよめきがその場を支配する。


「そんな!」

「あれを食らって…やはり本物なのか?」

「化け物め!」


(マジでビビった…)

(マーフィー!必殺技を出して余裕の顔!ミル…ここからだぞ!)


だから必殺技いうのヤメテー!

でもコータのいうとおりここからが本番!

茶番が始まる…私とコータの人生を決める茶番なの!




マーフィー:俺の人生は?

ミル:コータに含まれてるけど?

コータ:マーフィーのものは俺のもの、俺のものも俺のもの。

マーフィー:くう!さすがは…オレの写し!

ミル:じゃあ、ミルの人生もコータのものだから、コータの人生もマーフィーの人生もミルのものなのニャ!

2人:負けた…。

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