契約…魔王マーフィーが久しぶりに笑った日(2)
この作品をみて頂いただけでなく、評価をつけてくださった方がいました。
本当にありがとうございます。
作者は幸せ者です。
今回の話は(3)まであり、マーフィーを幸せにしたいなと思ってます。
魔族の幸せって…難しいですね。
引き続きマーフィーが語ります。
何がそうさせたのか…今のコータが大きく見える…力では仮にも魔王である自分に叶うべきもないはずだ…が、こいつとは戦いたくないと思った。
(まず、状況報告だ。あの日、魔王が封印されたという話が敵味方に伝わり魔軍は崩壊。翌日に停戦の申し立てを3魔王が王国側に打診し、王国もそれを受けてその翌々日には停戦合意に至った。)
ここまでは自分の予想を超えていない。
(そして各状況だが、王国は6の大地を譲渡されたらしい。本当はお金を巻き上げたかったようだが上手くかわされたようだ…。しかも魔軍のモンスターの敗走経路は5の大地に向けたものではなく7の大地に向けてだ。これは意図的にだろう。王国は6の大地の管理についてと、国内に侵入されたモンスターなどを相手にしばらくは戦争どころではないだろう。王都で勝利の凱旋パレードくらいはしていたが。)
(魔軍のほうは?)
(コッチは様子がおかしい。シェリーがいないんだ。魔大王は行方不明となっている。確かに聖なる槍が封印したことろを誰もみていないだろうが。)
(うーん、マーフィーが大魔王の影武者であることを事を知っている人物は少ないていってたよな?)
(オレとシェリーを除くと2人、3魔王のケンプと、大魔王の副官テスだけだ…。)
コータは少し考え込んだ…。そして
(聖なる槍の攻撃でシェリーが死んだ可能性は?)
(ないな、確かに大ダメージを受けてはいたが致死ではないはずだ。)
(シェリーが何かされたとしたら、2人のうちどちらを疑う?)
(テスはこういうケースでは傷付いた大魔王を回収し安全の確保、オレが時間を稼ぐってことになっていた…。3魔王のケンプは…シェリーの恋人だ…どちらも今どこにいるかわからない。
まあ、疑うなら…。)
心のなかでそれを言うのは嫉妬のせいだとストップがかかる。
(大魔王シェリーはケンプのところだな。1人で身を隠しているという選択肢もあるが…)
(あいつはやられたらやり返すぞ。たとえ瀕死の傷を負わされたとしても隠れたりはしない!それにケンプにやられるほどヤワじゃない!)
(なら…、ケンプに一杯食わされたんだろ。彼女は相当深いダメージを負っていたみたいだし…副官は葬られたんだろうな、多分。)
コータは何故、ここまではっきり言えるのか?俺のその疑問に…言葉には出していないのにまるで聞いていたかの様に…コータは答えた。
(停戦が4日で合意?アッサリ6の大地を譲渡?明らかに用意してましたって感じだな。これは王国側にも内通者がいるな…。もしかしたら聖なる槍の召喚自体…用意されたものなのかもしれない。)
(なんだって!)
(上手くすれば大魔王を、失敗しても”影武者”の魔王マーフィーを封印できると踏んだんじゃないか?)
(だが、やつはシェリーに惚れている。失いたくないはずだ。)
(封印だ、死ぬわけでない。それに今も殺さずに幽閉しているに違いない。)
(全てお前の推測だろう…こちらのことをよく知らないから知っている範囲で答えを出そうとしている…危険だ。)
コータは触話のために握っている手に力をいれて来た。