世界を救った代償(2)
どうやら、身体が小さくなってしまったらしい。
年齢で言うと10歳前後か…若返った?
まあ、転生名物の羞恥プレイ(オムツ替え)を受けるまでにならなかったからよしとしよう。
気持ちを落ち着かせようとして周りを見回す。天気はいい、どこかの池のほとりにいるようだ。匂いが自然の匂いだ。都会育ちの自分には違いがよくわかる。
もう一つ目に入ってきたモノがあったが…そちらは無視した。
「あれからどうなったんだろ?もう一人の俺は大丈夫かな?」
そうつぶやくと自分の影が伸びて膨らんだ。
人の形を取ると…もう一人の”オレ”になった。
もう一人のオレは軽く俺に触ると頭に声が聞こえてきた。
(言葉通じないだろ。「触話」のカード渡すからと使ってみな。)
そう言うと手を離した。その手にカードが現れる。
握手している絵が描かれている。
そのカードを手に取り心ポケットにいれてみる。
それから、もう一人のオレの手に触れた。
(あー、あー、テス、テス、テス、ただいまマイクのテスト中…聞こえる?)
(…こっちの住人にわからないギャグはやめろよ…最後気弱になったろ。)
(心からすまみませんえん。…ごめん。ほんっとうにゴメンなさい。)
(…一瞬、本当に俺の写しかと悲しくなったぜ。)
(真面目をやろう。俺は月影光太、”こうた”でいいよ。)
(オレはマーフィーだ、コータ。)
(じゃあ、まず教えてくれる?マーフィーとこの子に色々聞きたいんだけどその前にマーフィーに聞きたい。この子は知ってる?)
(ああ、戦争相手だ…。そこら辺は3人で話した方がいい。)
女の子の方をみると、察がいいのか手を出してきている…その手を握った。
(聞こえる?)
(はい…聞こえます。)
(名前教えてくれる?俺は月影光太、”こうた”でいいよ)
(はい、私はミルフィーユです。みんなからはミルって呼ばれてます。コータ…様。)
少し震えている…手も…頭に響いてくる声も。
今、右手でマーフィーと、左手でミルと手を繋いでいるかたちだ。
(今のミルの声、マーフィーにも聞こえる?)
(聞こえるぜ。こういう会話は始めてだな、面白い。)
俺はを仲介しての情報交換会が始まった。