第二話「蹴鞠の鬼、サッカー場に立つ」
これはAIが書いたものです
「おい、見たか? あの新入り……」
「なんだあれ……リフティングの鬼かよ……!」
サッカー部の練習場。新入生としてやってきた九条真秀は、驚異のボールコントロールを見せつけていた。
誰も触れない位置に浮かせたボールを、脚、膝、肩、頭……次々と繊細に受け止め、まるで空中に留めるかのように操る。
周囲の部員たちは、ただ呆気に取られて見ていた。
「真秀くん、リフティングはすごいけど、サッカーはチーム戦だよ?」
キャプテンの南條が声をかける。真秀は一礼し、穏やかに笑った。
「心得ております。“戦”とは、個と集の両輪。個を極めし者のみ、集を動かす資格を得るのです」
訳がわからない南條をよそに、真秀は早速紅白戦に参加することに。
相手チームは主力組。新入りには荷が重いと思われていたが——
「始めよ」
試合開始のホイッスルが鳴った瞬間、真秀の目が変わった。
「足だけでなく、腰で受けよ」
古武術で鍛えた柔らかい体幹、重心移動。相手がタックルに来ても、芯をずらし、ふっとかわす。
「敵は正面にあらず」
敵が詰め寄れば、一瞬のフェイントで逆を突き、誰も触れぬ死角にボールを送り込む。
「味方の“気”を読め」
パスは見ずに出す。だが通る。なぜなら味方の心の動きを読んでいるのだ。
南條は驚いた。
「……なんだ、あいつ……周りの動き、全部分かってるのか……!?」
さらに圧巻だったのは、ゴール前での場面だ。
真秀は言った。
「戦は、敵の心を折った瞬間に勝つ」
あえて相手DFを引き寄せ、次々に股下を抜いて翻弄する。最後は軽くチップキックを浮かせ、敵GKの頭上をふわりと越えてネットを揺らした。
「……!!」
誰も声が出なかった。
試合後、南條が声をかける。
「……お前、いったい何者だ?」
真秀は静かに答える。
「蹴鞠の道を究めし者。いずれこの地で、天下を取る者なり」
その目に浮かぶのは、戦場の修羅場をくぐり抜けてきた者の光。
こうして、彼の伝説は始まった。