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違う世界 1

 気が付くと宿屋のような狭い部屋だった。天井も低いし、この世界の冒険者の宿かしら?


「目が覚めたのね、よかったぁ」


 声のする方を見るとメグミさんが心配そうにこちらを見ていた。その隣には仏頂面した勇者、いや、タケルだったかな、が居る。


「本当にメグミを戻してくれたんだな、、、ごめん」


 私は白い柔らかい服を着せられて柔らかいベッドの上にいた。


「ここは、、、?」

「タケルの部屋。ユリさん、タケルを帰してくれてありがとう」


 うん、よかった、メグミさんもタケルも元居た世界に戻せたんだ。

 それはそうと、、、私までこっちに来ちゃったのは失敗だったなぁ。戻る方法考えないと。


 二人からこちらの世界のことを教えてもらった。主にメグミに聞いたけど、、、こちらの世界は私の世界と全く違う。


 こちらには魔法がなくてカガクがある、らしい。

そして私、サキュバスなんだけど、のような存在は想像上の存在だということだ。

魔法がないと聞いて心配したけど、私の魔法はなぜか使えた。それだけは良かった。


「それで、あちらに戻る方法はあるの?」

 

 メグミさんが心配そうに聞いてくる。

 

「あるよ、こっちで魔法陣書けばいいの」

 

 あからさまにほっとした表情のメグミさん、いい娘だ。

 

「でも、今の魔力の量じゃ無理ねぇ、回復には時間かかるかなぁ」


 今度は落胆した表情になるメグミさん。コロコロ表情が変わってかわいい。


「簡単に魔力を回復する方法あるんだけどね」

「え、なになに、どうやればいいの、私にできることある?」


 メグミさんが勢い込んで聞いてくる。

 

「セックス」

「え?」

「だからセックス、こっちのことばだとまぐあい?」

「言い替えなくてもわかるよ、で、セックスって、、、」


 顔を赤くして可愛いな、食べちゃいたいくらい(性的に)。


「タケルとセックスすればだいぶ回復できるか…」

「ダメ―!」


 大声出さなくてもわかるよ、二人の様子見てれば。でもちょっと意地悪しよう。


「タケルがだめならメグミさんでも」

「だめに決まってるだろう、お前、やっぱり殺す」


 タケルがどすの利いた声で脅してくる。


「はいはい、冗談だから。二人とセックスする気はないよ」

 あからさまにほっとした二人だけど、さて、どうしようかね。セックスしないと魔力がたまらないのは確かなので、、、とりあえず、後で考えればいいか。


 とりあえず、タケルの家にお世話になることにしてもらった。

私はタケルのおかあさんの妹でしばらく海外に行っていたけどつい先日帰国したことにしている。

まぁ、私の魔法でそういうことにしたんだけど。

もちろん、容姿もそれに合わせてるけど、


「ユリ叔母さんそっくりだよ、特に胸が」


 とタケルの軽口に女二人が制裁をくわえた。

こんなのが勇者だったのだからあきれてしまう。


「メグミさん、まだ、間に合うよ。世の中にはもっといい男がいっぱいいると思うの」

 私の忠告に、タケルは殺意をあらわに、、、怖い怖い。


「ユリさん、何を言ってるのかしら、よくわからないわ」


 メグミさんの決して笑ってない笑顔の方が怖かった。

折角他の世界に来たのだからあちこち見て回りたい。

けれども、メグミさんもタケルも昼間はガッコウに行かないといけない。


 なので、私は姿を消して二人の後についてガッコウに行ってみた。


 二人は気が付いているようだったけど、何も言わなかった。

姿を消してるから大丈夫って思ってくれたのかな。


授業を受けてるときのタケルは結構真面目なんだな。

頭の中にも筋肉が詰まってるのかと思った。

メグミさんは優等生みたい。


 聞いていてもつまらないので部屋の中にいる先生にちょっかいを出してみる。


先生が書いた文字をすぐに消してみる。


生徒の机の上のものを隣の生徒の机の上に置いてみる。


 殺気を感じた私が振り返るとメグミさん、、二回りくらい大きく見える。

そのまま廊下に連れ出されて、、、、説教された。

なぜかタケルも一緒に説教されていた。

どうやら私の陰に隠れてイタズラしてたらしい。バカだ。


 教室を追い出された私は今度は生徒の格好姿を現して校内を探検してみる。


「お腹すいたなぁ…」


 朝ごはんは食べたし昼ごはんにはまだ早い。

淫魔な私には人間の食べるご飯だけでは足りない。

そう、こちらにきてからまだ男性の精を食べてない。


学 校はそういうことする場所じゃないことは知ってるけど、、、あれ、、、この感じ。誰かがしている。


 私は感じるままに向かうとそこは倉庫に使ってる建物みたいだった。

カギがかかってる、、ので、私は姿を消し建物のまわりをまわってみる。

壁の上の方の窓が開いている。そこから私は建物の中に入り込んだ。


 建物は倉庫らしい。

ほこりっぽい部屋の中に少女を囲んで男たちがいる。

少女は猿ぐつわをされ、ほぼはだかで男がひとり圧し掛かっている。

気が付くとそばに縛られた少年もいた。彼も猿ぐつわをされ声も出せずいる。


 ふと、違和感を覚えた。

なにか、こちらの世界ではないモノがいる感じ、そして、この感覚、覚えがある。


男たちの後ろにひっそりと立っている人物に気が付いた。

そちらに注意を向けたとたんそいつは攻撃してきた。


ばしっ!


こちらにはないはずの魔法、まさか?!

そう思った瞬間、そいつは逃げた。


残ったのは、男たちと慰み物になっている少女、そして縛られた少年。

私は男たちの意識を奪い少女を助け出した。


「あ、、ありがとうございます」

「お礼はいいから早く服を着て」

「はっ、はい!」


少女が服を着たのを確認して外に出してあげる。

そして外に出たとたん記憶を奪う。

これが初めてかどうかは知らないけれど、嫌な思いは忘れて欲しい。



「むぅむむ、、むぅ、、、、むむ、、、」

 もう一人残っていた。彼はどうするか、その前にちょっとお食事しないと。


 私は倒れている男たちを裸にして精を搾り取った。

ちょっとだけ残してあげたけど、しばらく起きれないだろう。

当然、記憶も奪う。


 そして残った少年も開放する。


「あなたは、どこの、、」

「いいから、それは後で、まずはここから出ないと」


 そう言い外に追い出し直後に記憶を奪った。

彼はここにいることに戸惑いながら教室の方に向かっていった。


それにしても、この状況、原因はあいつか。

面倒なことになったなぁ。


 昼ご飯は屋上で。

メグミさんがお弁当を作ってきてくれる。

タケルはいつもパンを買ってくる。


そして今日はもう一人。


「お前が授業さぼるって珍しいなぁ」


「なんでだか覚えてないんだ。でも気が付いたら渡り廊下にいて」


そう答えてるのは、さっき倉庫で助けた男の子。


「で、職員室に呼ばれて説教か」

タケルがからかうと男の子は苦笑いしながら、

「まぁ、覚えてないからね、何も答えられなかった」


病院に連れて行くという話もあったみたいだけど、そのあと、倉庫で見つかった男たちのことの方でいっぱいになってうやむやになったらしい。


「あのぉ」

私が口を挟むと、

「あぁ、ごめん、ぼくはサトル、ここにいる二人の幼馴染ってところかな」

と自己紹介してくれた。


「私はユリ、二人とは魔王、」

「あぁぁ、、早くお弁当食べないと昼休み終わっちゃう」

突然メグミさんが大声を出す。

そしたらタケルも

「そうだな、飯食えないのは大問題だ」

となんか慌ててパンの袋を開ける。


私とサトル君はきょとんとして二人の様子を見てたけど、つられてご飯を食べ始めた


 結局、私はタケルの遠い親戚で海外から留学生として来ていることになった。

いや、そんなの信じるはず、、

「へーそうなんだ、日本語じょうずだね」

信じるんだ。



 午後の授業中は姿を隠して学校を散策。

騒がしい声がする方が気になったから見に行ったら倉庫の中にいた男たちが親らしい大人に引きずられるように学校を出て行くところだった。

そして、やっぱり気になる魔法の痕跡。


 その跡をたどろうとするけれど途中で消えてしまう、いや、魔力が足りなくて追いきれない。

早く食事(精)をしたいなぁ。

美味しそうな食事(精)を持つ男たちも居るんだけど、、、メグミさんに怒られるからなぁ。


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