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第十二話 オッサンゾンビの恋わずらい


 私の名前はヒョロ。どこにでもいる、ちょっとおっちょこちょいなゾンビです!色々あってレジスタンスという悪の組織に殺されちゃったんだけど、なんとかゾンビとして蘇りました!

 そんな私の目標は、レジスタンスを皆殺しにして、人間として復活することです!だから強くなるために、毎日特訓してるんですけど…。

 はぁー。なんだか集中できません。…ううん、理由は分かってます。私たちの恩人であり師匠でもある、ハルタ・イルスタッフさんのせいです。…あぁ、今日もカッコいい横顔です!


「おいヒョロ!テメェなにサボってんだよ!オッサンのくせして女の子座りなんてしてんじゃねぇ!」


 あわわ!ハルタさんに怒られちゃった!


「いいか、今夜はここら辺の木を100本、魔法で切り倒すまで帰らせねぇからな!覚悟しとけよ!」


 ハルタさん、怒った顔もカッコいい!

 はぁ。最近の私は変です…。幼女にしか興味がなかったはずなのに、最近はハルタさんのことを考えるだけで胸が締め付けられて、息がハァハァドキドキ苦しくなって…。




「お前それ、恋だろ!ハルタさんに惚れてんだよ!」


「えぇ〜〜〜!?」


 テフさんに私がハルタさんに対して思っていることを伝えたら、とんでもないことを言ってきました!


「ちょっとテフさん!変な事言わないでください!」


 周りにハルタさんがいなくてよかったです!こんなこと聞かれたらとんでもない!


「あーあ!ヒョロはハルタさんのこと好きなんだ!皆んなに言いふらしてやろ〜!」


「あーテフさん!そんなの絶対ダメですよ!やめてくださ〜い!」


「…お前ら、なに騒いでるんだ?」


 ドキッ!ハルタさん!?最悪のタイミングです!


「ハルタさん、ちょうどいいところに!あのな、実はヒョロがハルタさんのこと…」


「ダメーー!それ以上言わないで!」


 絶対絶対絶対ダメ!この気持ちだけは、知られたくない!


「なんでもないですよ!私たちは真面目に修行してただけです!もう、ハルタさんはあっちに行ってください!」


「お、おう。真面目にやってるんならいいけど…」


 もう、危ないところでした。テフさんは困ったものです!まだ自分でも整理のついていないこの気持ちを、伝えるなんて…。

 でも、レジスタンスを倒して、人間に戻った後なら…私、この気持ち、伝えられるかも!


 ✳︎


 なんだったんだ今のは!?気持ち悪すぎる!オッサンどもがまるで若者のように騒いで、ヒョロに至っては性的倒錯してる!

 コレはどういうことだ?生前から同性愛者だったなら分かるが、ヒョロは生粋のロリコンだったはずだ。もしかしたら人間だった頃と人格が変わっているのか?

 使用した魔導書の注意事項にはそんなこと書いてなかったぞ。もしかして、ゾンビというのは俺が思ってるほど御しやすい存在では無かったのか?

 …どうする?未知の部分があるってことはリスクになり得るってことだ。念のため、ゾンビどもを今すぐ処分して、新しく皆んなに好かれる計画を立てた方がいいのか…?

 …いや。今さらやめられない。レジスタンスの大規模遠征は3日後だ。これほどまでに戦闘要員が遠出する機会は滅多にない。

 計画は変更しない。3日後、防衛が手薄になったレジスタンス基地にゾンビどもをけしかけ、そして俺が基地を救う!

 そもそもゾンビどもは俺に心酔してるんだ。まさか裏切られるとは夢にも思うまい。いつでも処分できるんだ。大丈夫だ、リスクは無い。計画は問題無く成功するさ…。



 と、思っていた。この時はまだ、事態が何もかも都合の悪い方へ行っていると、気付いていなかった。

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