2 【ネクロマンサー】スキルの神髄2
「【ダンジョン召喚】」
サイクスが魔法を発動した。
ごごごご……。
地鳴りとともに前方に黒い穴が出現する。
「これは……?」
「異界のダンジョンを召喚した。この穴は異空間に通じる入口になっている」
俺の問いに答えるサイクス。
「この黒い穴を通り、ダンジョンに入ると【属性検査】が始まる。具体的には――ダンジョン内に入り、現れる敵モンスターと交戦していき、ダンジョンの最奥を目指すという流れだ」
「要はダンジョン探索をしてくればいいのか?」
「そうだ。最奥にダンジョンコアがある。そこに触れることで、お前のスキルの情報を得られるだろう。属性についてもそこで分かる」
と、サイクス。
「わざわざ異界のダンジョンに入らないと検査できないのか?」
「そう言う仕組みになっている。そもそもスキルというのは、神――いや『それ以上の存在』が与えた力とも言われている。だから、その内容を確認するだけでも大変なのさ」
「へえ……」
初めて聞く情報だった。
「ここに入るかどうかは、お前の自由意志だ」
「入るよ。最初からそのつもりさ」
サイクスの言葉に俺は即答した。
必ず今よりも強くなる。
そして、こいつらを出し抜いて人間界に戻り、魔王軍とふたたび戦う。
魔王軍を倒した後は、元の世界に帰還する。
俺の目的は、最初からブレていない。
魔界に来たのは単なる方便であり、寄り道でしかない――。
俺は黒い穴に向かって進んだ。
前方には虹色にきらめく空間が広がっている。
「この向こうにダンジョンがあるのか?」
「そのはずだ。俺も実際に入ったことがあるわけじゃないが、文献にはそう書いてあった」
と、サイクス。
得体のしれない空間に飛び込むのは恐怖感があるけど、仕方がない。
「くっ……」
俺は小さく息を吐き出し、思い切って前に飛び出した。
そして――。
「……ここが異空間のダンジョンか?」
一瞬の後、俺は暗い洞窟の中にいた。
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