表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

89/122

15 躯の丘


「おはようございます、時雨様」


 一人の少女が一礼して歩み寄る。


「君は……?」

「サーラといいます。サイクスの妹です」


 紫色の髪をツインテールにした美しい少女だ。


「兄から、あなたのお世話をするように言われております。なんなりとお申し付けください」


 金色の瞳が俺をまっすぐ見つめている。


 にこやかな笑顔なんだけど、その眼光は異様に鋭かった。


 ……お目付け役、だろうか。


「ありがとう、サーラ」


 とりあえず俺は彼女に笑みを向けた。


 ただでさえ、味方のいない場所に一人でいるんだ。


 表面上だけでも友好的にしないと、な。


「サイクスに会えるか?」

「はい、お望みなら兄に取り次ぎます」

「頼む」




 俺は魔王城の一室でサイクスと面会した。


「サーラを世話役につけたが、どうだ? 不満なら別の者をつけるが……」

「不満は特にない」


 俺は首を横に振った。


「お前は俺を魔界に連れていく際、『俺という人間をもっと知りたい』と言っていたな。要は、俺の能力を調べたいってことか?」

「能力だけではないが……まあ、主に知りたいのはお前のスキルのことだ」


 俺の問いにうなずくサイクス。


「お前が【闇】の勇者なら――その力を魔界に役立ててほしいからな」

「結局、その【闇】の勇者っていうのは何なんだ? 魔王との会談でもよく分からないままだった」

「……そうだな。ちょっと場所を変えて話そうか。俺が飛行魔法である場所に連れていく。そこで話した方が色々と理解が速いからな」




 俺たちは場所を移動した。


 サイクスが飛行魔法を俺にかけ、空中を飛ぶ。


 魔界に来るときにはメレーザが飛行魔法をかけてくれたが、サイクスも同じような術を使えるらしい。


 もっともサイクスが言うには、メレーザの方が精度や効果が上らしいが……。


 ともあれ、俺たちは魔王城からひとっ飛びして、小高い丘の上にやって来た。


「ここは通称を『(むくろ)の丘』という。かつて勇者と戦い、散っていった魔族たちを弔った場所だ」


 周囲には無数の髑髏が転がっている。


 いや、よく見れば、それらはオブジェのようだ。


 人間の世界で言う墓石のような感じだろうか。


「正確に言うなら、ここに眠る魔族たちの大半が戦ったのは【光】の勇者ということになる。その名の通り、光の陣営に属する勇者だ」


 と、サイクス。


「じゃあ、【闇】の勇者っていうのは――」

「もう想像がついているだろうが」


 俺の問いにサイクスがうなずいた。


「魔族と同じ闇の属性を持ち、闇の力を振るう――我ら魔族側の勇者だ」


【読んでくださった方へのお願い】

面白かった、続きが読みたい、と感じた方はブックマークや評価で応援いただけると嬉しいです……!

評価の10ポイントはとても大きいのでぜひお願いします……!


評価の入れ方は、ページ下部にある『ポイントを入れて作者を応援しましょう!』のところにある

☆☆☆☆☆をポチっと押すことで

★★★★★になり評価されます!

未評価の方もお気軽に、ぜひよろしくお願いします~!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
↑の☆☆☆☆☆評価欄↑をポチっと押して

★★★★★にしていただけると作者への応援となります!


執筆の励みになりますので、ぜひよろしくお願いします!


▼カクヨムでの新作です! ★やフォローで応援いただけると嬉しいです~!▼

忌み子として処刑された僕は、敵国で最強の黒騎士皇子に転生した。超絶の剣技とチート魔眼で無敵の存在になり、非道な祖国に復讐する。


― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ