6 魔界到着
結局――。
ガラはまだ納得しかねている様子だったが、サイクスやメレーザに押されるようにして、俺の魔界行きを承諾してくれた。
「【開門】」
黒い門に向かってメレーザが両手を掲げる。
どうやらこの門を操作するのは彼女の役目らしい。
ぎぎぎ……ぎぃぃ……。
軋んだ音を立て、門の扉が左右に開いた。
その向こう側には虹色に輝く空間が広がっていく。
「あれは人間界と魔界をつなぐ通路よ。道を踏み外すと、人間界でも魔界でもない全然別の世界に落ちてしまうの。そうなると二度と戻って来られないから注意してね」
と、メレーザ。
「あ、でも人間の場合は道を踏み外した瞬間に即死するかな? じゃあ、その後のことは心配しなくてもいいか」
「いや、即死すること自体が大問題だろ」
俺は思わずツッコんだ。
「さ、行きましょ」
メレーザが手を差し出した。
「あたしの手を離さないでね」
「あ、ああ……」
俺は彼女の手を握った。
「では――魔界へ」
時間にして数秒程度だろうか。
俺たちは門の内部に引き寄せられたと思うと、あっという間に別の場所に移動していた。
「はい、到着」
「早いな!?」
メレーザの言葉に俺は驚いた。
空は曇天で、周囲には草原や街道が広がっている。
そして街道の向こうには町が見えた。
「ここが魔界だ。向こうに見えるのは王都だな」
と、サイクス。
「王都……? あれが?」
なんだか随分と小さな町だ。
人間の世界でいえば、小規模な町にしか見えない。
「お前たち人間に比べて、俺たち魔族は絶対数が少ない。王都といっても、お前たちの世界のように大人数が住んでるわけじゃないんだ」
説明するサイクス。
「なるほど……」
「さあ、王の元へ案内しよう」
いよいよ、魔王との対面か。
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