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2 【予知】の分析



「高位魔族……そんなに強い敵が……」


 那由香たちは全員が王のいる謁見の間に集まっていた。


 葉月たちが王に対して行う報告を、傍らで聞いたのだ。


 クラスの雰囲気は暗かった。


 それも当然だろう。


 今やクラスの戦力の中心であり、間違いなく最強といっていい時雨が、魔族についていったというのだ。


 だからといって、時雨が人間側を裏切ったとは限らないが――。


「ちっ、見損なったぜ! 死にたくないから魔族側に寝返ったんだ、あいつは!」

「あんな奴、もう仲間じゃない!」

「見つけたら、殺してやる!」


 息巻くクラスメイトたち。


「時雨くんの真意は不明よ。ここで方針を決めてしまうのは早計だと思う」


 葉月が言った。


「どうかな、那由香ちゃん。君はそう思わない?」

「わ、私……?」


 まさか自分に意見を求めてくるとは思わず、那由香は口ごもってしまった。


「あなたには【予知】のスキルがある。それであたしたちの行く末を調べることはできない?」

「ご、ごめんなさい。自由にコントロールできるわけじゃなくて、その……」

「じゃあ、今回のことに関連して、何か君が見た『未来の映像』はある? 断片的でも、意味不明でもいい。何か情報が欲しい」

「……時雨くんが、新しく三体のしもべを得ていたの」


 那由香は葉月に言った。


「たぶん、魔族を相手に戦っていたと思う……」

「新しく三体のしもべを?」


 葉月が眉を寄せる。


「今回の戦いでそういう場面はなかった。ということは、今後起こるシチュエーションということよね? そこで時雨くんが魔族と戦っているなら、彼は魔族とは敵対していると考えられる」


 周りに説明するというより、自分に言い聞かせるように告げる葉月。


「じ、じゃあ、やっぱり時雨くんは裏切ったわけじゃ――」

「それは分からない」


 パッと顔を輝かせた那由香に、葉月は首を横に振った。


「魔族の中に二つ以上の勢力があって、時雨くんはその一つに所属し、他の勢力と戦っているだけ……というパターンも考えられるし、もっと別のシチュエーションもあり得るかもしれない。あたしが言ったのは、あくまでも可能性の話でしかないの」

「……そう」

「とはいえ、彼が裏切ったという確証でもない。それが分かるまで――彼を信じてもいいんじゃない?」


 言って、葉月は微笑んだ。


「信じたいんでしょ、彼のこと?」

「……うん」


 那由香は静かに、だが力強くうなずいた。


「じゃあ、彼がいない間、あたしたちはあたしたちでやれることしないとね」


 葉月が言った。


「うむ。それについて、私から君たちに提案がある」


 そこまで黙っていた王が、突然言った。


「提案?」

「今の君たちでは、高位魔族には勝てない。だからこそ、より強い力を得てもらいたい」

※6章16と18の間に1話投稿し忘れていた話がありました。すみません(先ほど投稿しました)


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忌み子として処刑された僕は、敵国で最強の黒騎士皇子に転生した。超絶の剣技とチート魔眼で無敵の存在になり、非道な祖国に復讐する。


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