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12 俺と俺の兵団VS魔族軍2

 俺としもべたちの連係は、この戦場において無敵だった。


 かつては苦戦した【ブラッドクロウ】といえど、今や俺たちが圧倒している。


 一体、また一体と打ち倒していく。


 いける――!


 俺は手ごたえをつかんでいた。


 とはいえ、気は抜かない。


 今のところ俺としもべたちが波状攻撃をかけ、【ブラッドクロウ】たちに反撃の体勢を取らせず、一体ずつ撃破できている。


 けれど、戦線自体は微妙なバランスで成り立っていた。


 たとえば、俺たちの攻撃が少しでも緩み、奴らが反撃に出たとき――。


 この戦線を一気に押し返されることもあり得る。


 やはり中級魔族の【ブラッドクロウ】は気を抜いていい相手じゃない。


 ただ、集中して、こちら側が大きなミスをしない限り、勝てる相手でもあった。


「押し切るぞ! 全員、集中を切らすな!」


 俺はしもべたちに号令した。


 また、これは俺自身への鼓舞でもある。


 最後まで攻勢のまま押し切ってやる――!




「はあ、はあ、はあ……」


 俺は荒い息をついて、その場に座り込んだ。


 完全な勝利だった。


 周囲には魔族たちの死体が転がっている。


【ブラッドクロウ】たちも全滅させた。


 以前にメッセージが出た通り、レベル3相当のアンデッドは同時に五体までしもべにすることができる。


 で、この『レベル3相当のアンデッド』というのは、中級魔族と同レベルのようだ。


 俺はすでに【デスウォリアー】を二体、【ブラッドクロウ】【ツインリザード】【メタルシールダー】を一体ずつの合計五体をしもべにしているため、今回倒した奴らを新たにしもべにすることはできない。


 仮にしもべにするなら、すでにしもべになっている奴らのどれかを解除する必要があるけど――。


 現状、このままでいいな。


 俺は『レベル3のアンデッド』のしもべについて、陣容は今のままで入れ替えしないことにした。


「――見事です、勇者様たち」


 と、ザガーニ国正規軍の隊長がやって来た。


 満面の笑顔だ。


「やはりすごいものですな、勇者の力は……我らがまるで歯が立たなかった魔族たちを、こうも簡単に――」

「いえ、正規軍が魔族を足止めしてくれたからこそ、被害を最小限にとどめられたんです。これは――俺たち全員の勝利ですよ」


 俺は隊長にそう言った。


 言ってから、自分でも驚く。


 俺……こんな卒のない言い回しができる人間だっけ?


 戦いの場数を踏むうちに、俺のメンタルも変わって来てるのかな。


 以前より図太く、たくましく、そして――強く。


 少しは成長しているのかもしれない。

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忌み子として処刑された僕は、敵国で最強の黒騎士皇子に転生した。超絶の剣技とチート魔眼で無敵の存在になり、非道な祖国に復讐する。


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