11 俺と俺の兵団VS魔族軍1
「話を戻すけど、俺が先駆けで出撃する――という案でいいかな?」
俺はあらためて他のメンバーに確認を取った。
全員、俺と葉月の模擬戦を見ていたからか、特に異論はないようだ。
「……っていうか、俺たち完全にモブ扱いだよな」
「時雨一人で片付けるのか」
と若干不満げな様子も見えるけど――。
「命が懸かってるんだ。みんなは『もしも』に備えて待機ってことで頼む」
俺は全員に頭を下げた。
無駄死にを出したくない。
それが俺の本音だ。
ただ、ストレートにそのことを表現すると、俺とみんなでは強さに大きな差がついてしまったから――ということになる。
当然プライドを傷つけられたり、反発する奴もいるだろう。
それをなだめすかすようにして、俺は隊を率いていくつもりだった。
これから先の戦いも、ずっと。
そして、戦いのときが来た。
「じゃあ、いくぞ――みんな」
俺はすべてのしもべを召喚した。
最初から総力戦で一気にカタをつける――。
俺はミラージュたちとともに砦から出た。
前方から魔族の一団が進んでくるのが見える。
情報通り、先頭に立っている中級魔族たちはいずれも【ブラッドクロウ】だった。
強敵だけど、今の俺なら――。
「いや、俺たちなら」
勝てる!
「まず後衛からだ。遠距離攻撃を浴びせろ」
炎や飛剣を矢継ぎ早に発射する【レッドメイジ】と【ソードマン】。
ぐおおおおおおおおおおんっ。
苦鳴が響き渡った。
さすがに【ブラッドクロウ】たちには炎や飛剣は通じないが、下級魔族はそうはいかない。
面白いように蹴散らされていく。
【ソードマン】と【レッドメイジ】に関しては、もともと雑魚を掃討する係だと考えていたから、これで十分だ。
下級魔族の大半を倒したところで、次は前衛組の出番だった。
「よし、全員で連係して【ブラッドクロウ】を狩る。ただし深入りはせず、確実に一体ずつ倒すんだ。いいな、手堅く戦うんだぞ」
おおおんっ。
しもべたちが雄たけびを上げた。
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