4 俺はクラスメイトたちから賞賛される
「すっごーい!」
葉月が駆け寄ってきた。
「何あれ! しもべのモンスターもそうだけど、時雨自身もめちゃくちゃ強いじゃない!」
興奮気味に言われた。
確かに――俺も自分の戦闘力の上昇に驚いていた。
ステータスが以前の三倍以上になったのは把握していたけど、これだけ大規模な実戦で試したのは初めてだ。
その結果は――思った以上に、俺は強くなっているということ。
しもべたちと同等か、もしかしたらそれ以上に。
「すごかったな、時雨」
「あんた、どうなってるのよ……? ここまで強かったっけ……」
「おかげで俺たち、何もやることがなかったよ」
「正直、ここに来るのにちょっとビビってた。時雨のおかげで楽勝だったよ」
他の仲間たちも一様に俺を賞賛している。
喜びが半分、ここまでの楽勝になった驚きが半分といった感じだ。
俺にとっても予想外の楽勝だった。
「中級魔族も、もう敵じゃないかもな」
以前にブラッドクロウと戦ったときは、楽勝とはいかなかった。
けれど、今はもう違う。
強くなった俺自身と、駒がそろいつつあるしもべたち……。
いや、さらに今回の戦いで駒が増えるな。
俺は撃破した中級魔族と下級魔族をしもべに変えることにした。
――と思ったのだが、
『一度にしもべにできるのはレベル3のアンデッドが5体、レベル2は10体、レベル1は30体までです。また、レベル2以上のアンデッドをしもべにする場合、レベル1のアンデッドをしもべにすることはできません』
ん、こんなメッセージは初めて出たな。
もしかして以前からこういうルールだったのか?
それとも、俺のスキルが成長して、新たなルールが追加されたのか?
さらに突っ込んで聞いてみると、『レベル3』は中級魔族相当で、『レベル1』が下級魔族、そして『レベル2』はその中間のようだった。
俺としてはまず強力な手駒がほしい。
つまり、今回なら『レベル3』だ。
ということは、必然的に下級魔族たちをしもべにすることはできない。
『レベル2以上のアンデッドをしもべにする場合、レベル1のアンデッドをしもべにすることはできません』というルールに引っかかってくるからな。
「よし中級魔族の中から強そうな奴を選んで、しもべにしよう」
そして、吟味した結果、以下の四体を新たなしもべに加えた。
デスウォリアー二体:甲冑で武装した魔族の戦士。
ツインリザード一体:双頭のトカゲ戦士。
メタルシールダー一体:巨大な盾を装備した防御型の戦士。
どれも戦士系で、これで前衛がかなり充実しそうだ。
「よし、これでさらに兵力を増強できたぞ」
俺はご満悦だった。
「じゃあ、城に戻ろう」
「えっ、もう終わり?」
葉月がキョトンとした。
「だって、敵を全滅させただろ?」
「あ……ま、まあ、そうよね……あはは」
苦笑いをしている葉月。
他のクラスメイトも似たような反応だった。
この圧勝劇がまだ信じられなくて呆然としたままらしい。
まあ、俺だって自分の能力にあらためてビックリしたけど――。
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