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10 那由香との食事


 ラウンジから出た俺は、城内にある食堂にやって来た。


 ここは特に俺たち『異世界人』のためだけに運営してくれている場所だ。


 さっきまでいた『ラウンジ』と同じく、俺たちが快適に過ごせるよう、王様が配慮してくれているのだった。


 食堂に行くと、那由香を見つけた。


「時雨くん」

「今から昼ごはんか?」

「うん。よかったら一緒に食べない?」

「いいな」


 というわけで俺たちは並んで座り、食事をとることにした。

 さっそく、さっきの話を那由香に伝える。


「――という感じで、みんなからの扱いが変わったんだよ」


 俺は那由香と話していた。


「前よりもいい関係になれたんでしょう? よかったじゃない」

「まあ、よかった……のかな」


 那由香の言葉に俺は苦笑した。


「カースト最底辺の扱いが長かったから、すごい違和感がある」

「みんな、時雨くんのすごさに気づいたのよ」


 那由香が微笑む。


「まあ、底辺であり続けるよりはいいか……」


 俺はうなった。


 別に彼女たちのグループに入るわけじゃない。


 それに、少なくとも葉月は今まで俺を馬鹿にしてきたわけじゃない。


 そもそも接点自体がなかったんだ。


 だから、これからは仲良くしよう――って話だし、俺にデメリットはない。

 ないはずだ。


 なのに、どうしてこんなに気持ちがざわつくのか。


「俺が強くなったから近づいてくる……そういうクラス内の力関係の変化とか、勢力図の動きとか……そういうこと自体が、俺はあんまり好きじゃないのかもしれない」

「……そうだね。私も人間関係のそういう部分は苦手」


 と、那由香。


「俺はこうやって那由香と一緒に楽しくご飯を食べてる時間の方が好きだ」

「っ……! そ、そうだね、私も……好き……えへへ」


 那由香は照れたような顔をした。


 正直、俺もちょっと照れくさかったけど。


 ――俺たちはその後、他愛のない雑談を楽しんだ。


 そんな中で、とある話題が出た。


「そういえば、中級魔族の討伐任務が近々くだされるって聞いたよ」

「中級魔族?」


 前回のブラッドクロウ討伐の後、新たな中級魔族が現れたとは聞いていないが――。


「魔王軍の侵攻がいよいよ本格的になる、ということだと思う」


 那由香は暗い顔をしていた。


「那由香?」

「これから……きっと犠牲も増えるよ」

「犠牲……」


 俺はゾクリとした。


「それはクラスの誰かが死ぬってことか?」

「今はまだ……はっきり分からない。クラスの人かもしれないし、この世界の中で私たちに比較的近しい人たちかもしれない。いずれにせよ、少なくない犠牲が出ると思う」


 那由香は泣きそうな顔をしていた。


「田中くんや鈴木さんみたいに……他にも誰かが死ぬのは、私は嫌……でも……」

「予知は100パーセント当たるんだよな?」

「そのはずよ。私がスキルを使ったときに、空中にそうメッセージが出たの。『この予知は必ず的中する』って」

「だとしても……覆したいよな」


 俺は那由香に言った。


「これ以上、誰の犠牲も出さずに魔王を討つ」

「……そうだね。私も、自分にできることをしてみる」




 那由香との食事を終え、俺は自室に向かっていた。


 今日はこの後、何をしようか。


 演習はこの間のランの暴走でしばらく中止になりそうだ。


 となれば、自由時間がかなり増えることになる。


 リフレッシュに使うもよし、あるいは――。


 そのとき、一つの考えが思い浮かんだ。


「ネクロマンサーって『死霊術師』って意味だったよな……ちょっと調べてみるか」


 俺のスキルをもっとく知るために……今できることがある。

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忌み子として処刑された僕は、敵国で最強の黒騎士皇子に転生した。超絶の剣技とチート魔眼で無敵の存在になり、非道な祖国に復讐する。


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