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11 合同演習2


「演習って言っても、あたしは負ける気はないからね。足引っ張るなよ、時雨」


 セイラは相変わらず辛辣な口調だ。


「ああ、俺も負けたくはない」


 にっこりとうなずく俺。


「……あんた、キャラ変わった?」

「ん?」

「そんな堂々と返事するキャラだっけ? もっと、あたしに対してこう……萎縮してたっていうか……?」


 セイラは怪訝そうに俺を見ている。


「まあ、ちょっとした心境の変化ってやつはあったかもな」

「……まあ、なんでもいいや。とにかく足引っ張ったら、後でシメる」

「お手柔らかに」


 俺は苦笑した。


「が、がんばろうね……」


 と、萌が言った。


「その、時雨くんって、セイラが思ってるより強いよ、たぶん」

「えっ」


 驚いたようにセイラが萌を見つめた。


「この間の中級魔族討伐戦で――」

「話し中に悪いんだけど、そろそろ始まるみたいだぞ」


 萌の話を遮り、俺は二人に言った。


 すでにこちらの部隊は展開を終わっている。

 オーソドックスな方陣で、一キロ近く向こうに配置された敵軍も同じ陣形のようだ。


 小細工なし、部隊の実力がモロに出る真っ向勝負――。


 ごうっ!


 次の瞬間、こちらの魔術師たちがいっせいに火炎魔法を放った。


 同時に、向こうからも火炎が飛んでくる。


 まずは飛び道具同士でのバトルか。


 相手の攻撃は、こちらの魔術師が張った結界に弾かれ、同じくこちらの攻撃は向こうの結界に弾かれる。


 魔術師の実力は大差ないようだ。


「進藤がバリアを展開する。結界を張っている魔術師は攻撃に切り替えろ」


 と、セイラが指示を出した。


「騎士団は前進を開始。敵の攻撃はあたしのスキルで迎撃する」

「あれ? 俺の役目は?」


 萌が魔法の防御、セイラが騎士たちの援護という明確な役割を与えられているのに対し、俺は言及すらされない。


「お前は弱っちいゴーストを従えるしか能がないだろう? 役に立たないし適当に動いてろ」


 セイラが言った。


「あたしたちの邪魔だけはするなよ」




 さて、俺はどう立ち回るべきか。


 実は合同演習の前、ミラージュと相談していた時に、こんな打ち合わせをしていた。


「なあ、ミラージュ。今回はしもべをできるだけ使わず、俺だけで戦ってみようと思ってるんだ」

「マスター一人で? 【ネクロマンサー】ではなく、一人の戦士として戦うということか?」

「お前たちしもべは頼もしいよ。けど、守ってもらってばかりだと、俺自身の戦闘能力を測れないし、成長もしない」


 俺はミラージュを見つめた。


「俺が強くなることで、お前たちもより活きる気がするんだ」

「確かに……ブラッドクロウ戦も最後はマスターの力で勝敗を決した。今後、もっと強大な敵と戦っていくことを考えれば、マスター自身の成長は必須――」


 と、ミラージュ。


「ああ、上級魔族やそれ以上の敵がいずれ出てくるだろうからな。今のうちに俺の腕を鍛えておきたい。幸い、合同演習の模擬戦なら死ぬ危険もないし、リスクがほとんどゼロだからな。実戦練習としてはうってつけさ」


 というわけで――俺は剣を手に、騎士団と並走した。


 今日は、俺自身の力を存分に発揮してやる――。

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忌み子として処刑された僕は、敵国で最強の黒騎士皇子に転生した。超絶の剣技とチート魔眼で無敵の存在になり、非道な祖国に復讐する。


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