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5 【獣化】


「て、てめぇ……時雨ごときが……くそがぁっ!」


 剣咲はふたたび向かってきた。


「勇者スキル――【獣化】ぁっ!」


 ぼこっ、ぼこっ、ぼこっ……。


 剣咲の体の各部が盛り上がっていく、

 服がはじけ飛び、鎧のような皮膚が全身を覆い――。


 一瞬にして、彼の姿が大きく変わっていた。


 サイの頭を持つ獣人。

 奴のスキルは『衝撃波』だと思っていたけど、違ったのか。


 獣人への変身能力――こっちが剣咲の真のスキル……!?


「俺を舐めやがって……もう半殺しじゃ済まさねぇぞ。殺す――」

「……いいのか?」


 俺は静かに問いかけた。


「あ?」

「お前は『殺す』と言ったな。その言葉を口にしたということは、俺からも同じ意思表示をされても文句を言えないってことだ」

「……なんだと?」

「俺もお前を殺す」


 正直、これは本気で言った言葉じゃない。


 威嚇だ。


 俺は、殺し合いなんてしたくない。


 剣咲の『殺す』という言葉がどの程度本気なのかは分からない。

 でも、日本にいたときと違い、ここでの殺人は黙認される可能性が十分にある。


 剣咲は本気で俺を殺そうとしているかもしれない。

 なら、俺もそれなりの対処をするしかない。


 黙って殺されるわけにはいかないからな。


 ……というわけで、現状の戦力分析だ。


 あの姿から想像されるのは、人間を超える近接戦闘能力だ。

 だけど、それだけじゃない。


 奴が衝撃波らしきスキルを使ったところを以前に見たことがある。

 ということは、獣人の能力を活かして衝撃波を出せる、ということだろうか。


 近距離、遠距離ともに強大な攻撃力を誇るスキル――。


 いくら俺が一流の騎士や戦士並のステータスを得ているとはいえ、さすがにこれは分が悪い。


「そっちがスキルを使うなら、俺も――ミラージュ!」


 俺はしもべを呼び出した。


 足元の影から黒いシルエットがせり上がった。

 普段は俺の影に偽装した異空間内に待機しているアンデッドのしもべ――『幻影の騎士ミラージュ』を召喚したのだ。


「な、なんだ、こいつは……」


 驚く剣咲。


「ソードマン、レッドメイジも出ろ」


 俺は惜しみなく手勢を次々に召喚する。


 前方に白銀の騎士、後方に青い騎士と赤い魔術師。

 そして中央に俺、という布陣だ。


「へっ、数だけいたって――ザコどもが!」


 叫びながら突進する剣咲。


 ざんっ!


 ミラージュが剣を一閃し、剣咲の胸元を切り裂いた。


「ぐうっ……」


 後退する剣咲。


 それなりに深い傷だったはずだけど、すぐにその傷が塞がっていく。

 超速回復&再生能力か。


「ソードマン、レッドメイジ」


 俺は後方の二体に命じた。


「撃ちまくれ」


 どどどどどどどっ!


 ソードマンが大量の魔力剣を、レッドメイジが火炎を、それぞれ射出した。


「ぐあああああああああああっ!」


 逃げ場なんてない、飽和攻撃だ。


 無数の剣に斬られ、火炎に焼かれ、剣咲が苦鳴を上げる――。

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忌み子として処刑された僕は、敵国で最強の黒騎士皇子に転生した。超絶の剣技とチート魔眼で無敵の存在になり、非道な祖国に復讐する。


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