2 剣と炎のアンデッド
「えっ、これは――」
田中と鈴木を俺のしもべにできるのか?
てっきり俺が殺したモンスターがアンデッドになってしもべにできるんだと思っていたけど……。
そもそも、この二人は人間だ。
「俺が直接殺した相手じゃなくても、アンデッド化するのか?」
『術者が参加した戦闘における死者は、すべてアンデッド化が可能です』
と、メッセージが答える。
『ただし、一定レベル以上のアンデッドに関しては石板に封印するか、そのまま成仏させるかの二択となります』
「なるほど、さっきのブラッドクロウはその例なのか」
さて、どうする――。
生前は嫌な奴だったけど、こいつらの能力自体は有用だ。
やっぱり勇者のスキルは強力だからな。
とはいえ、クラスメイトを使役するっていうのは抵抗感があるな……。
と、そのときだった。
ずおっ……!
田中と鈴木の死体がそれぞれ黒い霧に包まれた。
そして次の瞬間、二人はモンスターの姿へと変化し、立ち上がる。
「なっ……!?」
田中は青い鎧をまとった剣士。
鈴木は炎をあしらった赤い装身具を身に付けた女魔術師。
それぞれ顔の部分には白い仮面がはめこまれていて、元の顔は完全に隠れていた。
「マスター、我ら今より……あなた様のしもべ……!」
田中と鈴木が恭しく跪いた。
「いや、しもべにした覚えは――」
『田中征四郎がアンデッド「ソードマン」として蘇生しました』
『鈴木花菊がアンデッド「レッドメイジ」として蘇生しました』
「えっ、これ自動的にアンデッドになったのか……!?」
モンスターをしもべにしたときは、俺の意志で選択できた。
人間の場合は異なるんだろうか。
それとも、こいつらが『勇者』だから――?
「ソードマンとレッドメイジ……か」
こいつらはもう田中と鈴木じゃない。
アンデッドとして新たな名と能力を与えられた、ってことなのか?
正直、死人を使役するのは罪悪感のようなものがあるんだけど――。
戦力としては大きいだろう。
「……分かった。二人ともこれからは俺のしもべとして働いてくれ」
割り切ることにした。
「ついでに今の俺のステータスも確認するか……ステータスオープン」
***
名前:時雨
筋力:59→70
速度:75→85
耐久:45→66
魔力:141→204
追加スキル
【斬撃】【シールド】
【マッピング・初級】
【フライングソード】
【ファイアバスター】
***
【読んでくださった方へのお願い】
面白かった、続きが読みたい、と感じた方はブックマークや評価で応援いただけると嬉しいです……!
評価の10ポイントはとても大きいのでぜひお願いします……!
評価の入れ方は、ページ下部にある『ポイントを入れて作者を応援しましょう!』のところにある
☆☆☆☆☆をポチっと押すことで
★★★★★になり評価されます!
未評価の方もお気軽に、ぜひよろしくお願いします~!




