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16 高位魔族、二体目撃破を目指して

 そいつは背中から翼を生やし、竜の顔を持った魔族だった。


「名前は確か――ラオゥガ。見た通り竜の力を持つ高位魔族です」


 と、解説するガラ。


「お前って他の魔族の情報に詳しいのか?」

「私は上位武官で下級や中級はもちろん一定の地位以下の高位魔族も統括しておりましたので、それらの情報は一通り頭に入っております」


 なるほど。


「お前の知識はこれからも役立たせてもらうよ、ガラ」

「はっ」

「差し当たって、あいつを討伐したい。そうすれば俺のステータスはさらに上がるし、あいつをしもべにすれば俺の軍団も戦力アップだ」


 俺は身構えた。


「ガラ、協力してくれ」

「承知いたしました」

「他のしもべは――そうだな、遠距離攻撃系の奴だけでいい。接近戦は危険だからな」




 炎や飛剣が空中のラオゥガを襲う。


「な、何!? あなたたちは――」


 竜の顔をしているから判別できなかったけど、声の感じだと、どうやら女の魔族らしい。


 鎧の胸元も、よく見れば膨らみがある。


「ガラ、前衛に出ろ。俺が隙を見て、攻撃を打ち込む」

「承知!」


 叫んで、ガラが空中を一直線に飛んでいく。


 魔族だけあって飛行魔法程度はお手の物らしい。


「ガラ上位武官? これは一体――」

「悪いが、俺はもう上位武官ではない。時雨様の配下だ」


 ガラが拳を振るう。


「くっ……」


 翼をはばたかせ、さらに上空に飛び上がって避けるラオゥガ。


「おおおおおおおっ……!」


 俺は事前に彼女の背後に回り込み、一気に飛び上がった。


 無防備な背中に向けて、渾身の斬撃を繰り出す。


「【爆剣波】!」


 ガラをしもべにしたときに習得した攻撃スキルだ。


「があっ……」


 その直撃を受けて、ラオゥガは絶命したようだ。


 力なく墜落し、地面に叩きつけられた。


 予想よりも――いや、予想をはるかに超えて、高位魔族に圧勝することができた。


 そして、これで俺のステータスはさらに上がるはずだ……!

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忌み子として処刑された僕は、敵国で最強の黒騎士皇子に転生した。超絶の剣技とチート魔眼で無敵の存在になり、非道な祖国に復讐する。


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