14 進むべきか、退くべきか
「やっぱり、もう二、三体の高位魔族を倒しておきたい」
俺はそう結論付けた。
ただし、無事に人間界まで帰るというのが最終目標だ。
ここが脅かされるようなら、速やかに魔界から撤退する必要があるだろう。
「――となれば『身を隠しつつ、高位魔族を見つけ次第急襲する』っていう感じで動くのがいいか」
問題はその高位魔族がどこにいるのか、だ。
サイクスなら居場所が分かるけど、奴は相当に手ごわい。
いくら大幅にパワーアップしたとはいえ、今の俺ではまだ勝てないかもしれない。
いや、たぶん勝てないんじゃないだろうか。
「あいつは後回しだ。他に――」
とりあえず王都から離れ、なるべく辺境の、なるべく小さな町か村を襲おう。
――発想が盗賊とか悪党のそれになっているような気がしたけど、これは戦争だ。
なりふり構っていられない。
俺は魔族を殺し、力を得る。
それだけだ――。
俺は街道に沿って歩き始めた。
右も左も分からない魔界だから、王都から離れる方角へ適当に進んでいくしかない――。
と、そこまで考えたところでハッと気づいた。
「ガラ、お前に魔界のことを色々と教えてもらってもいいか?」
今や俺のしもべとなったガラを呼び出す。
「なんなりと、マスター」
ガラは従順に言って跪いた。
やっぱり魔界の知識を得たければ、魔族であるガラから聞くのが一番だ。
「王都からできるだけ離れた場所で、高位魔族が存在する村や町を教えてくれ。できれば高位魔族の数が少ない方がいい」
俺はガラにたずねた。
「具体的に知りたいのは、俺がしもべを引き連れて戦って、確実に勝てそうな高位魔族がいるような場所だ」
「なるほど……それがマスターの戦略なのですね」
と、ガラ。
「では、先ほどの質問に合致しそうな町、村を頭の中で整理してみます」
【読んでくださった方へのお願い】
面白かった、続きが読みたい、と感じた方はブックマークや評価で応援いただけると嬉しいです……!
評価の10ポイントはとても大きいのでぜひお願いします……!
評価の入れ方は、ページ下部にある『ポイントを入れて作者を応援しましょう!』のところにある
☆☆☆☆☆をポチっと押すことで
★★★★★になり評価されます!
未評価の方もお気軽に、ぜひよろしくお願いします~!




