12 決着
さらにもう一撃――。
ざんっ!
俺が繰り出した剣は、ガラの背中をふたたび薙いだ。
先ほどの一撃と合わせ、魔族の背中にX字型の傷が刻まれる。
「ぐあっ……」
よろめくガラ。
そこへミラージュたちがいっせいに攻撃を叩きつける。
「くっ、この――」
しょせん奴は一人だ。
対するこっちは多勢。
いったん体勢を崩してしまえば、数の力で一気に攻めこむことができる。
それが俺の強みだった。
「お、おのれ……ぇ……!」
ガラが怨嗟の声を上げる。
「手を緩めるな! このまま押し切るぞ!」
言いつつ、俺は【伸腕】を解除し、剣で斬りかかった。
ミラージュたちと合わせ、四人で同時に接近戦を挑む。
ガラもさすがに高位魔族らしく、猛反撃を見せるものの、先ほどの背中への二撃が効いているのか、その動きは鈍い。
俺たちの攻撃が徐々に奴の生命力を削っていく。
それにつれて、奴の動きがさらに鈍る。
ジリジリとダメージを蓄積させるような戦い方で、俺たちはついに――。
高位魔族ガラを、討ち取った。
「はあ、はあ、はあ……」
俺は荒い息をついた。
ついにガラを倒すことができた。
足元にはガラの死体がある。
「さあ、高位魔族をしもべにするときが来たぞ――」
どくん、と心臓の鼓動が高鳴った。
これが成功すれば、俺のステータスは一気に上がり、魔族と同等以上になるだろう。
対魔族戦闘において、一気に優位に進められるようになるはずだ――。
『魔族ガラがアンデッド状態になりました。しもべにしますか?』
メッセージが現れる。
当然イエスだ。
すると、
ずずず……。
ガラの全身が黒い霧に包まれ、同時に死んだはずの奴がゆっくりと起き上がった。
『アンデッド』として蘇生したわけか。
そして、俺のしもべになった……ということでいいのか?
「ガラ、お前は今後俺のしもべとして働くのか? 答えろ」
念を押しておく。
ガラは一歩一歩、俺に向かって近づいてきた。
本当にしもべになったのか、こいつ……?
それとも――。
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