9 打倒、高位魔族1
ガラを仕留めれば、俺は高位魔族を一体しもべにすることができる――。
当然、俺のしもべたちの中で最強の戦力を得ることになる。
そして、同時にガラがしもべになるということは、俺自身のステータスに奴の能力分がプラスされるということでもある。
現状の俺が、さらに高位魔族と同等の能力を追加で得られるということだ。
はっきり言って、これは戦力として非常に大きい。
ここでガラを倒すことができれば、今後の俺の戦いも、魔界での立ち回りも大きく変わるだろう。
だから――必ず倒す。
「また殺気が上がったぞ?」
ガラが俺をにらんだ。
「そうか?」
俺はニヤリとしながら、さらに後ずさった。
「いけ、遠距離組!」
俺はしもべたちのうち、遠距離攻撃手段を持つ者たちに呼びかけた。
直後、
ばしゅっ、しゅおおおっ!
火炎が、飛剣が、ガラに浴びせられる。
「ちいっ……」
以前なら高位魔族にはほぼ通用しなかったであろう炎と剣が、今は多少なりともガラにダメージを与えているようだ。
「これなら――」
今度は近距離組を呼び出す。
ミラージュに死神、ブラッドライノが三方向からガラに向かっていった。
俺も剣を抜き、それに続く。
四対一の接近戦だ。
「こいつら、次々に――」
ガラは大剣を手に、俺たちを迎撃した。
ミラージュが高速剣技でガラに仕掛ける。
「ちいっ、速い――」
ガラが後退した。
そこへ死神の鎌が、ブラッドライノの拳が迫る。
「こいつら、前よりも格段に強い……っ!」
さらに後退するガラ。
いける――!
俺は三体のしもべの前に出て、ガラと対峙した。
ここまでの戦いを見ていると、ガラの立ち回りからおおよその戦闘能力を推察できた。
そして、今の俺の能力と照らし合わせる。
勝てるぞ――。
そう、確信できた。
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