表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

10/122

1 盗賊

「おっと、そこまでだ。身ぐるみ剥がせてもらうぜぇ」


 いつの間にか囲まれていた。


「お前たちは――」


 全部で二十人くらいだろうか。

 見た感じ、盗賊団のようだ。


「こんな場所に二人だけで来るなんて命知らずもいいとこだな」

「こっちは二十一人だ。勝ち目がねぇのは分かるよな?」

「もちろん逃げ場もねえよ。諦めな」


 彼らは手に手に剣やナイフなどを持っている。


 こっちは俺と、万全じゃないミラージュの二人だけ。

 スキルが解放される前の俺だったら、恐怖に震えていたようなシチュエーションだ。


 けれど、今は違う。

 恐怖も不安もまったくなかった。


「俺が出る。ミラージュは援護を」

「承知」

 剣を抜いて前に出る俺と、背後で剣を構えるミラージュ。

「殺されたいらしいな!」


 盗賊が二人まとめて斬りかかってきた。


 さらに右側面から一人、背後からも一人――。


 そのすべてに、俺は余裕で反応できていた。

 しもべの数や質に応じて、主である俺のステータスが上がっているからだ。


 しかもミラージュの戦闘能力は、下級とは思えないほど圧倒的だった。


 その恩恵を受ける俺の戦闘能力は、おそらく一流の騎士か、それ以上――。


「見える――」


 彼らの攻撃が、スローモーションのようによく見えた。


 繰り出される剣やナイフをあっさり避け、反撃する。

 俺自身に剣の心得なんてないけど、体が勝手に反応し、動いてくれた。


 どごっ、どすっ……!


 次々に峰打ちで気絶させていく。

 モンスター相手と違って、さすがに躊躇なく殺せる覚悟はなかった。


「全員気絶させて、憲兵にでも引き渡すか」


 俺は残った盗賊たちを見据えた。


「ぐっ……」


 後ずさる彼ら。


「殺しはしない。法の裁きを受けてもらう」


 俺は彼らに宣言した。


「く、くそっ、全員でかかれ――ぐあっ!?」


 そのとき、空中に突然――『長剣』が現れた。


 その長剣が彼らの一人の首を刎ねる。


 さらに二本、三本――。


 次々に現れた長剣が、彼らを斬り殺し、あるいは突き殺していく。

 あっという間に十人以上が殺された。


「ひ、ひいいいいっ!?」

「な、なんだこの攻撃はぁぁぁっ!?」


 生き残った山賊たちがパニック状態に陥る。

 そこへ、


 ごうっ!


 前方から火炎の塊が押し寄せ、残った連中を飲みこんだ。

 あっという間に、残った山賊全員が消し炭となって倒れる。


「今のは……」


 剣と炎――どちらの攻撃も見知ったものだった。


 勇者のスキルだ。


「なんだ、時雨じゃねーか。行方不明って聞いてたけど、生きていたのか」

「そのまま死んでればよかったのに」


 二人組の男女が歩いてきた。


 男は坊主頭でがっしりとした体格、女は明るい茶髪を肩のところで切りそろえた、派手な容姿をしていた。


「田中と鈴木……」


 つぶやく俺。


 男が田中で、女は鈴木……クラスメイトの二人とこんな場所で出会うとは。

【読んでくださった方へのお願い】

面白かった、続きが読みたい、と感じた方はブックマークや評価で応援いただけると嬉しいです……!

評価の10ポイントはとても大きいのでぜひお願いします……!


評価の入れ方は、ページ下部にある『ポイントを入れて作者を応援しましょう!』のところにある

☆☆☆☆☆をポチっと押すことで

★★★★★になり評価されます!

未評価の方もお気軽に、ぜひよろしくお願いします~!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
↑の☆☆☆☆☆評価欄↑をポチっと押して

★★★★★にしていただけると作者への応援となります!


執筆の励みになりますので、ぜひよろしくお願いします!


▼カクヨムでの新作です! ★やフォローで応援いただけると嬉しいです~!▼

忌み子として処刑された僕は、敵国で最強の黒騎士皇子に転生した。超絶の剣技とチート魔眼で無敵の存在になり、非道な祖国に復讐する。


― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ