表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

79/142

79.策を講じる



 マリィはフェンリルとなったカイトとともに、呪術王と激戦を繰り広げている。

 彼女たちの物理、魔法攻撃で、シナノの首都は壊滅状態になっていく。

 フェンリルの突進が呪術王に決まる。


 呪術王は凄まじい勢いで吹っ飛んでいく。

 建物をいくつも貫通しながら飛んで行くも……。


「まずいわね」


 マリィは一人つぶやく。


『どうしたんだよ、まずいって……?』


 彼女の肩には黒猫オセがぶら下がっている。

 フェンリルが呪術王へ追撃へ走っている。


 その姿を見、確信を持って言う。


「このままじゃじり貧だわ」

『押せ押せじゃないか?』

「いいえ。相手もこっちも、回復手段を持っている。即死の技を食らわせても、復活するほどのね」


 反魂の術は強力だ。

 即死の黒い炎をうけても、復活してみせる。


「この術には、魔力とは別の力を使うみたい。この力は、私の中では限られた量しかないわ。でも……」

『呪術王はちげえってわけか』


 魔力と同様、呪術に使われる力は、使えば使うほど伸びるようだとマリィは直感した。

 だからこそ、自分に不利になってしまう。


 マリィはいくら天才だからといって、まだ呪術を使い出したばかりだ。

 総量で言えば、遥かに劣る。


「いずれ反魂の術が使えなくなる」

『魔法で回復を補えばいいんじゃないか?』

「反魂の術の方が、スピーディよ」

『なるほど……スピード勝負で負けちまう訳か』


 いずれにしろ、このまま五分の戦いを繰り広げていても、いずれ力が枯渇して負けてしまう。


「策を講じるわ。力を貸しなさい」

『…………』


 オセが、本当にびっくりしたように、目をまん丸に剥いていた。

 今までこのエゴイスト魔女が、料理以外で誰かを頼る姿なんて見たことなかったから。


 特に……自分は元々敵だった。

 でも……今は、力を貸してくれと言ってくる。


 信頼、してくれている。

 仲間として。


『ふふ、はは! オッケー。力貸すよ。仲間だもんな』


 ぷいっ、と魔女がそっぽを向く。

 オセは嬉しそうに笑った。


 人間の友達なんて、生まれて初めてできた。

 悪くないな……とオセは思った。


『で、どういう策なんだよ?』


 ちら、とマリィは……視界の端にうつる【それ】を見る。


「あれを使うわ」

『ああ? でも、あいつは死んだんじゃ……』

「瀕死だけど生きてるわ。あなたはあいつを起こしてちょうだい。そして作戦は……」


 ぼそぼそ、とオセに耳打ちをする。

 にや……と悪魔が微笑む。


『性格悪いなあんた』


 フッ……と魔女が不敵に笑う。


「ええ、世界一のエゴイストだもの」

【★読者の皆様へ お願いがあります】


ブクマ、評価はモチベーション維持向上につながります!


現時点でも構いませんので、

ページ下部↓の【☆☆☆☆☆】から評価して頂けると嬉しいです!


お好きな★を入れてください!


よろしくお願いします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

★1巻10/20発売!★



https://26847.mitemin.net/i766904/
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ