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72.呪術王の過去



 マリィたちは呪術王の拠点としてる、大都市へとやってきた。

 カイトと別れ、九尾の狐だけを連れて、街の中に入るマリィ。


 周囲には無数の妖怪たちが跋扈してる。

 しかし誰も、侵入者であるマリィに気づかない。


『ど、どうなってるんや……?』

「認識を阻害する呪術を使ってるからね」


 周りには、黒い靄が発生し、マリィをつつんでいた。


『結界術やないかい! しかも高度な認識阻害の呪いが付与された結界……』

「意外と便利ね、まじないいって」


 魔法はどちらかというと、外に対して作用するもの(攻撃など)がおおい。

 呪いは、こうして、うちに対して効果を発揮するものがおおいようだ。


『結界術をならったわけやないのにマスターするなんて、あんたやっぱおかしいで』

「おかしい? 弱いってこと?」

『規格外って意味や!!!! ったく……』


 てくてくとマリィは街のなかを歩いて行く。


「ねえ、暇なんだけど。なにかしゃべって」

『無茶振り……ったく。そうやな……あんた、呪術王様が、なんでこの世界に来たのか知ってるか?』

「知らないわ。この世界?」

『呪術王……アベノハルアキラ様は、こことは違う、別の世界出身なんや』


 マリィは九尾から、呪術王の出自を聞く。

 地球とよばれる別の世界にある星から、彼は世界を渡ってここにきたらしい。


「へえ……世界。どうやって?」

世界扉ワールドドアっちゅー、特殊な力があるんや』

「ふーん……世界扉ワールドドアね。文字通り世界を行き来する扉ってこと」

『せや。呪術王様はそれが使えた』


 マリィは小首をかしげる。


「なんでわざわざ異世界に来たの? 元の世界にいればいいのに」

『……より強い術者をもとめてな』

「術者?」

『呪術師のことや』

「どうして強い相手を求めるの?」


 九尾は声のトーンを落としていう。


『……お母様を、復活させるための、術を開発するためや』


 曰く。

 アベノハルアキラには、母がいたらしい。


 だがその母は人間達によって殺されたという。

 呪術王は死んだ母を生き返らせるため、術を極めようとした。


『術者としてのレベルをあげるため、呪術王様は戦いまくった。けど、あるとき成長が止まってしもうたんや』

「どうして?」

『自分より強いもんが、おらんくなってしもうてな』


 強い敵と戦った経験が、強さに変わる。

 自分より弱い物を倒しても強くなれない、という理屈らしい。



「だから、強いやつを求めて異世界に?」

『そーゆーこっちゃ』

「ふーん……いちおう、敵にも理由があったのね」


 まあ、マリィにとってはどうでもいいことだ。

 すると九尾は言いにくそうにしながらも、意を決したように言う。


『なあ魔女さん。お願いがあるんや』

「なに?」


 立ち止まって、マリィは九尾を見やる。

 彼女はいたく真剣な表情で言う。


『呪術王様と戦うの……やめてくれへんか?』

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