68.手数
マリィは食事を終える。
その間にぬらりひょんが妖怪を作り、攻撃したのだが……。
『まるで歯が立たなかった……だと……?』
マリィがあらかじめ用意しておいた、遅延魔法によって攻撃をガードされていた。
マリィは立ち上がって、びしっと指を突きつける。
「あなたのタネは割れてるわ。手数で押すタイプ。でも残念ね」
腹をさすりながら言う。
「片手間の私で勝てないんじゃ……食事を終えた私には勝てないわよ」
確かにマリィは新しい魔法を使っていない。
彼女はあらかじめ仕込んで置いた魔法だけで対処した。
それはすなわち、ぬらりひょんの攻撃に有効な攻撃【ではない】、かつ数も限られた状態だったということ。
「手の内はわかった。癖もね。それでも……まだやるのかしら?」
その目は完全に、ぬらりひょんを見下していた。
いや、違う。
遥かなる高見から、見下ろしているのだ。
地を這いつくばる、アリを。
圧倒的な力を持つが故の、余裕。
つつぅ……と脂汗が額を流れる。
勝てない。
ぬらりひょんは警鐘を鳴らす。
それでも……。
『小娘ごときに嘗められてたまるかぁああああああああああ!』
ぬらりひょんは両手を前に突き出し、全力で、妖怪を生み出す。
雑魚妖怪の群れが、大津波のごとく押し寄せる。
マリィは接骨木の神杖を、取り出さなかった。
多重展開(複数の魔法を同時に展開する)を、使わない。
「火炎連弾」
中級の火属性魔法。
炎の大きな玉から……無数の弾丸が射出される。
ズガガガガガガ……!!!!!!!
弾丸一発の威力で雑魚1匹を倒す。
こちらもまた津波のごとく、炎の弾丸を射出した。
妖怪は完全に、押し戻される。
あっという間に数を減らされて……。
最後には弾丸の豪雨をその身に浴び……。
ぬらりひょんは塵となって消えたのだった。
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