63.きじ鍋うめえ
毒妖鳥を討伐した。
その後、カイトは毒妖鳥を使った料理を作った。
「できました! きじ鍋です……!」
「でかしたわ、カイト……!」
カイトがどこでもレストランから出てくる。
その手には寸胴鍋が握られていた。
そんなにたくさん作ってきたのか……! 私のために……!
マリィは喜ぶ。
カイトもまたニコニコと笑顔を浮かべていた。
「さ、皆さんで食べましょう!」
「……皆、さん?」
マリィは耳を疑った。
なぜ皆さんとなるのだろうか。
マリィのご飯なのに……。
「みなさん! 魔女様からです!」
「「「魔女様から!?」」」
いや……。
マリィは別に、カイトにみんなの分まで作れとは、命令してない。
しかし……。
「お腹をすかせた村人さんたちを、放置するなんて魔女様がするわけがありません!」
カイトは勝手に、魔女からみんなの分まで作れ、と命令されたと思い込んだのだ。
彼のなかでは、魔女は素晴らしい人格者なのだ。
腹を空かせた村人達がいる。
そんななか、一人だけご飯を食べる。
そんな、卑しいことはしないと。
『いや、それはちょっと深読みしすぎじゃあないか……?』
「さぁ量はたっぷりあります! みなさんでいただきましょう!」
オセはマリィを見やる。
彼女は実に複雑そうな顔をしていた。
全部自分で食べるつもりだったのだ。
ご飯を他人に分けたくない。
……だがカイトの機嫌を損ねたくもない。
もう料理を作ってもらえなくなるかもしれないから。
ふぅ……とマリィは息をつく。
「そうねみんなで食べましょ」
まあ、美味しいものが食べられるのなら(今後も食べ続けられるのなら)、それでいいかなと。
マリィは思うのだった。
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