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53.獣使いの獣人



 マリィはヤマタノオロチを異次元の魔法で葬り去った。

 強敵を撃破したというのに、マリィの表情は晴れない。


「ごはん……」

『またかよ……』

「だって……お腹すくじゃない? 魔法使うと」

『ねえよ。魔力を使うと普通は、頭痛がするんだよ』


 魔力を操作するには、強靱な精神力が必要とされる。

 つまり、脳が疲弊してしまうのだ。


「頭痛なんて感じたこと一度もないけど、お腹はすくわ」

『なんつータフな精神力してんだよ……ばけもんかよ……』


 動けば腹が減る。

 腹が減ったらご飯を食べる。


「カイト、ヤマタノオロチを使って、何か美味しいご飯を食べれないかしら?」

『は? ちょっと待て。魔女様よ、あんた、ヤマタノオロチは存在まるごと消し飛ばしたんじゃ……?』

「最初に、吹っ飛ばした首を、回収しておいたのよ」


 マリィが風刃ウィンド・エッジで攻撃した際に、ヤマタノオロチの頭部は復活した。

 だが切り飛ばしたそれは、放置されていたのである。


『なるほど、くっつけたんじゃなくて、新しく生えたのであって、古いやつはそのままなんだな』


 あの激しい魔法合戦の合間に、食材を回収しておくなんて、通常は不可能だろうけども。

 マリィにとって、あんな蛇は怖くもなんともなかった。


「さすがです魔女様! あの強敵相手に、よゆうを見せるなんて! 本当にすごいです!」

「賞賛はいいから、さっさとご飯。何か美味しい物を……蛇だけど……」


 マリィ的には蛇は、あまり美味しいものに変わるとは思えなかった。


「そうですねぇ……ひつまぶしとか?」

「! なにそれ!」

「蒲焼きにしたウナギを、ぶつぎりにして、ご飯の上に薬味と一緒に混ぜて食べる郷土料理だそうです! こないだ助けた村のひとから、教えてもらいました!」


 それだ!

 なんて美味しそうなんだ!


「ああでも……お米がないわ……」


 極東で栽培される、米。

 それがないから、マリィはここまでやってきたのだ。


 しかし極東は呪術王の呪いの毒で、稲作ができないでいる。


 マリィはがっくりとうなだれて嘆く。


「大丈夫です、魔女様!」


 ケモミミ料理人カイトはマリィをこう励ます。


「呪術王を倒せば、ひつまぶしも食べれます!」

「! お寿司だけじゃ無くて……ひつまぶしも?」

「そうです! この蛇は保存しておいて、後の楽しみにとっときましょう!」


 ばっ、とマリィが立ち上がり、優雅にスカートをひるがえしながら、馬車へと向かう。


「すぐに、呪術王を倒すわよ」

「はいっ!」『小僧よぉ、魔女の扱いうまくなってきたなぁおい』


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