表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

52/142

52.異次元の魔法



 魔法。魔力を消費し、現象を起こす技術。

 大気中の魔素マナを吸収し、魔法のエネルギー……魔力へと変換。


 しかるのち、魔力に命令をくだし、外界に現象を引き起こす。

 魔法一つ使うだけで、これだけ多くのプロセスを要するのだ。


 そして魔法を使う上での一つの原則が存在する。

 それは、魔力の属性について。


 使う魔法の属性に適した魔力を、己のうちで生成する必要があるのだ。

 水の魔法を使うのなら、水の魔力を作る必要がある。火や風も同様。


 つまり、つまり火と水の魔法を同時展開するためには、魔素マナを取り込んだ後、体の中で二つの、別々の魔力を作る必要がある。

 はっきり言って、不可能だ。


 1つの魔法を、1つの魔力を生成するのに、どれだけの集中力と、技術が必要か。

 まだ魔法が廃れる前の世界であっても、複数の魔法を展開する技術……多重展開を使えるものはほぼいなかった。


 唯一、できたのは……魔女の神と言われし存在、ラブマリィのみ。

 

「多重展開……【千の呪文(サウザンド・マスター)】」


 ……複数の魔法を同時に展開するのは、超技能である。

 しかし、マリィは。


 1000の魔法を、展開してみせる。

 ヤマタノオロチを取り囲むように、千の魔法陣が展開。


『な、なんだ!? なんだこのおびただしい魔法陣のかずかずはぁ!?』


 そこから吐き出されたのは、魔法の嵐。

 風刃ウィンド・エッジ風烈刃ウィンド・ストーム火球ファイアー・ボール業火球バーン・しトライク……。


『や、やめ……』


 水流アクア・ストリーム水衝柱スプレット土弾アース・バレット巨岩弾ストーン・キャノン……。


『と、とま……とまら……』


 煉獄業火球ノヴァ・ストライク颶風真空刃ゲイル・スライサー水流大津波メイル・ストリーム地竜顎疾駆グランド・ダッシャー……。


 初級魔法から極大魔法まで、ありとあらゆる魔法が、無詠唱で、しかも多重展開される。

 絶え間ない魔法の嵐を前に、ヤマタノオロチは何もできなかった。


 圧倒的だ。

 魔法一つ発動させるだけでかなりの精神力を使う。

 それを1000個同時発動なんて、はっきり言って人間業ではない。


 しかしこの魔女は、規格外だ。

 涼しい顔をして、千の魔法を展開する。


 ……その様子に、ケモミミ料理人カイトは素直に、すごいと感心した。

 彼女の放つ魔法の数々はどれも美しく、この世の物とは思えないほどだ。


 ……一方でオセは言葉を失う。

 彼女がやってるのが、人外のレベルを、遙か超えているからだ。


『ばけもんだ……ありゃ……』


 悪魔ばけものであっても、思わずそうつぶやいてしまうほど。

 マリィの放った奥義は……すごかった。


 やがて魔法の嵐がやむ……。

 するとそこには、ヤマタノオロチの姿は無かった。


 それだけじゃない……。


『山も……消し飛んでやがる……』


 周囲には山岳地帯があったはずだ。

 しかし山々が、魔法によって消し飛ばされたのである。


『やばすぎんだろ……魔女様……つーか、こんな技があるんだったら、なんで温存してたんだ?』


 すると、本当にあっけらかんとした表情で言う。


「だってこれ、使ったら何も残らないじゃない? そしたら……食べるとこ、なくなっちゃうじゃないの」


 ……どこまでも、この女が戦うのは、己の食欲を満たすために戦うようだ。


『もうなんつーか……やばいよあんた』

「あらそ」


 マリィに勝利の余韻などない。

 むしろ、余計な魔力を使い、お腹がすいてしまった。


 倒したところでまあ、蛇は食えなかっただろうけども。


「はーあ。速く美味しいご飯が食べたいわ」


【★読者の皆様へ お願いがあります】


ブクマ、評価はモチベーション維持向上につながります!


現時点でも構いませんので、

ページ下部↓の【☆☆☆☆☆】から評価して頂けると嬉しいです!


お好きな★を入れてください!


よろしくお願いします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

★1巻10/20発売!★



https://26847.mitemin.net/i766904/
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ