51.秘密道具
マリィは山中でヤマタノオロチと遭遇し、戦闘になった。
しかし相手はラーニング+再生の能力を持っているため、中々に倒しづらい敵であルことが判明。
だとしても、マリィはみじんも動揺することがない。
……ヤマタノオロチは、困惑した。
大抵のやからは、ヤマタノオロチを倒せないと知ると、恐怖するか、絶望するかのどちらかのリアクションを見せていたからだ。
しかしマリィは、そのどれでもない第三の反応を見せた。すなわち。
「調理開始ね」
臨戦態勢だ。
マリィは異空間から、1本の鍵を取り出す。
『鍵……? なんだよ魔女様』
「封印してるアイテムの……鍵」
マリィは鍵を、何もない空中に向かって回す。
がっちゃんという音とともに、空中に魔法陣が展開。
何もない空間から降りてきたのは1本の杖だ。
先端部分が花のつぼみのような形をした、高位の魔道具である。
『なんだあのアイテム……! なんつー魔力量……! いったい、どんだけ魔法を付与してあるんだ!』
「オセ。あなたは、自分が食べたパンの枚数を覚えてるかしら?」
『急にどうした!? まあ……覚えてないけどよ』
朝、パンを食べる。
それは、当たり前の行為だ。
魔女にとって、これくらいの付与は、パンを食べるかのごとくたやすい行為だといいたいのか?
「ちなみに私の食べた枚数は520531234枚よ」
『食い過ぎだろっ! ぜってえうそだろ!!!!!!!! なあ!』
「さ、調理を開始しましょうか」
『もう一回言ってみろよ! 今の数字絶対てきとー……ぐえええ!』
風重圧で押しつぶされるオセ。
一方で、ヤマタノオロチは、完全にびびっていた。
この妖怪も、マリィの取り出した新たな武器から、とんでもないパワーが秘められていることを感じ取っていたのだ。
「正解よ。だが……遅いわ」
すぅ……とマリィが杖の先端部分を、ヤマタノオロチに向ける。
「あなたへの勝利条件は、見たことない攻撃を、無数に浴びせて殺す」
『!?』
目を大きく剥くヤマタノオロチ。
それは雄弁に、マリィが示した解決方法が、自分を死に導くものだと語っていた。
「倒し方を気取られた時点で、自爆覚悟でかかってくるべきだったわ。もう遅いけどね」
マリィが魔力を込める。
先端部分のつぼみが開いて、先ほどの比じゃないレベルで、魔法陣がヤマタノオロチを囲った。
「多重展開」
【★読者の皆様へ お願いがあります】
ブクマ、評価はモチベーション維持向上につながります!
現時点でも構いませんので、
ページ下部↓の【☆☆☆☆☆】から評価して頂けると嬉しいです!
お好きな★を入れてください!
よろしくお願いします!