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05.マリィが与えた周囲への影響

ここまでが、短編版の内容です。

6話から短編の続きです。

 さて、その後のことを少し語ろう。

 まず、マリィが倒したトラのモンスターだが……。


『し、信じられぬ……マリィだ。やつめ、転生しておった!』


 実はトラのモンスターは、かつて存在した魔王の配下、魔族であった。

 そして配下の動向を見ていたのは、そう……魔王デスデモーナである。


 実は、デスデモーナはひっそりと復活を果たしていたのだ。

 世界を再び闇に沈めるため、水面下で準備をしていたところだった。


 もしもマリィが現れなければ、今頃あっさりと世界は魔王の手中に収まっていただろう。

 魔族たちは強い。加えて、この世界の人間は、魔法が使えないでいる。


『くそ! なんてことだ! 最悪だ! やつがこの時代にいるなんて! しかも以前よりも高い魔力を持っている! こんなの、勝てるわけがない!!!!』


 ただでさえ、前世のときに苦戦した相手が、若く、そして高い魔力を身に着けていたのだ。

 もう、負けたも同然だった。


『くそぉお! どうしてこうなるのだぁあああああああああ!』


 さて。

 次は、マリィが助けたジョージ皇子はというと……。


「みな! 起きろ! 今すぐに!」


 目覚めた皇子は配下のものたちをたたき起こし、馬車を出させる。


「すぐにマリィ嬢のもとへ行くのだ! 命を助けてもらったことにお礼をしなければならぬ」


 そう、彼は覚えていた。なぜなら、彼には先祖代々受け継がれていた、特別な【呪詛返し】のペンダントを持っていたからだ。

 呪詛返し、ようはまじないが利かないアイテムである。


 つまり、マリィの暗示が全く効かなかった、マリィの功績が、ばっちりと皇子に知られてしまったのだ。


「すぐにマリィ嬢がなぜこんな森にいたのか調べろ。大至急だ!」


 そして、マリィのいなくなった王城はというと……。


「なに!? モンスターが王都に押し寄せてきただと!?」


 マリィの無自覚な強化魔法がなくなり、まずグリージョの法力がガタ落ち。王都を守る結界が消えて大変なことになっていた。


「なぜだ!? グリージョ! おまえ、ちゃんと法力を込めたのか!?」

「こ、込めましたわ……でも、結界が維持できなくて……」

「何をやってる! くそ! どうしてこうなった!?」


 また、彼女を虐げていた家は、マリィの魔法による恩恵で栄えていたので、それがなくなったことで落ちぶれていくことになる。


 王国が、公爵家が、そして何より妹のグリージョが、優勢を誇示できていたのは、全部マリィのおかげだったと……。

 そのことに気づいて、驚き嘆くことになるのだが……。


 それは、少し先の話。

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