47.こいつはもらっていきますね
マリィは呪術王四天王のひとり、天狗を討伐した。
「四天王とかほざいていたわりに、あんまり強くないわね」
つまらなそうにマリィがつぶやく。
いつだって彼女は、何かに不満そうにしている。
彼女が目を輝かせるのは、食欲が満たされたときだけだ。
天狗は可食部位がなかったので、とても残念に思ってるようである。
一方黒猫の悪魔、オセはあきれたように言う。
『魔女様よ、あんたがイカレテルんだよ?』
「? 私は普通の人間よ?」
『強すぎんだよ……!!!』
そうかな、とマリィが首をかしげる。
彼女は魔法の研究に没頭してきたため、それ以外の面……たとえば、強い弱いについてまるで頓着していなかった。
「はい! 魔女様は、さいきょーです!」
「あ、そ」
まあどうでも良いのだ。
問題は食べれるか否か。
「天狗は食べられなくって残念……」
『あん? 魔女様よ。なにしてんだ?』
マリィは落ちてるものを、手に取っていた。
それは先ほど、天狗が使っていた葉っぱでできた団扇だ。
「食えないのなら、せめて戦利品でも回収しとこうかしらってね」
『そーいやあんた、魔道具作りの天才だったな』
「天才かどうかは知らないけど、まあ、人並みに」
『この時代の連中じゃ作れないんだけどな……魔法が使えないから……』
マリィは異空間に、妖怪の使っていたアイテムを収納する。
あとで使ったり、あるいは別の魔道具を作る際の参考にするらしい。
「どれくらい魔道具が入ってるのですか、魔女様?」
「さぁ。数えたこともないから」
『収集してどーすんの? 博物館でも作るんかね?』
「まあ……それもいいかもね。森の中に洋館を作って、そこに飾るみたいな」
まあ、やるとしても遥未来のことだろうけれど。
アイテムを回収し追えたあと、マリィは馬車に乗って再び旅に出るのだった。
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