34.空腹の限界
34.空腹の限界
マリィは波山を倒した。
そして、彼女の前の前には巨大な鶏の肉が。
ふらり……と魔女がその場に倒れる。
「魔女様!」
ケモミミ料理人カイトが慌てて彼女に駆け寄る。
倒れて、辛そうにしてるマリィを見て、カイトは涙を流す。
「大丈夫ですか! どこかおけがを!? それとも、力の使いすぎで限界ということですか!?」
「ええ……そうね……限界……だわ」
「そんな……」
カイトが青い顔をする。
一方で悪魔オセは、あきれたようにため息をついていた。
「いやです魔女様! 死なないでください! もっともっと美味しいものを、たべてもらいたいのに!」
がしっ!
「え?」
マリィがカイトの胸ぐらを掴んで、引き寄せる。
「もっともっと美味しい物、食べるに決まってるでしょ?」
「で、でも……限界って……」
ぐぅ~~~~~~~~~~~~~~~!
その場に、沈黙が流れる。
魔女のはらから聞こえたのは、空腹の虫の音。
『カイト。さっさと飯作ってやんな。腹減ってんだとよ……ったく、限界ってそっちかよ』
カイトが笑顔になると、大きくうなずく。
「待っててください! すぐ、バンバンジーつくります!」
マリィが生きてたことに、カイトは泣いてよろこびながら、調理に取りかかる。
オセはため息をついて、マリィのもとへ。
『紛らわしいことすんじゃねえよ』
「何が紛らわしいのよ」
『やられて死んじまうのかって思ったぜ』
「この私が?」
冗談でしょう、といいたげな顔のマリィを見て、オセが苦笑する。
『愚問だったな。あんたは殺しても死なない』
【★☆新連載スタート!】
先日の短編が好評のため、新連載はじめました!
タイトルは――
『伝説の鍛冶師は無自覚に伝説を作りまくる~弟に婚約者と店を奪われた俺、技を磨く旅に出る。実は副業で勇者の聖剣や町の結界をメンテする仕事も楽々こなしてたと、今更気づいて土下座されても戻りません』
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