27.壁は壊す物
呪術王をぶっ飛ばしにきた魔女マリィ。
彼女たちを乗せた馬車は、領地シナノへと向かっていた。
しかし……。
がつんっ!
『んお? なんだぁ……』
「馬車が止まっております、魔女様」
ケモミミ料理人のカイト、と悪魔オセが窓から外の様子を見やる。
マリィが操作していた馬車が止まっていた。
……いや。
馬は進もうとしているのだが、何かによって行く手を阻まれているのだ。
「なんでしょう?」
『見えない何かに邪魔される感じだな……。魔女様どうするんだ?』
マリィは馬車に強化の魔法をかけ直す。
先ほどよりも脚力を強化された馬車は……。
ばごぉん! という大きな音を立てて、その見えない何かをぶち破って見せたのだ。
「すごいです魔女様!」
『しかし今のは何だったんだろうなぁ……って! また止まったぞ!?』
またも馬車が何かに阻まれる。
いらついたマリィは窓の外に手をやる。
「【纏雷神槍】」
その瞬間馬車の体に雷がまとわりつく。
馬車が、さっきの比ではないスピードで走り出した。
まるで1本の槍のごとく、超スピードで駆け抜ける。
ずばんずばんずばん! と連続で何かを貫通していく。
『! なんか……バケモンが倒れてるぞ!』
オセが背後を見やる。
板状の化け物が道ばたに黒焦げになってたおれていた。
『なんだありゃあ?』
「雷獣から読み取った記憶によると、妖怪っていう極東固有のモンスターらしいわ」
『妖怪ぃ!?』
「ええ。なんか1匹が古竜に匹敵するらしいわ」
『あんたそれを何体もぶっ倒してましたけど!?』
「あ、そ」
どれだけ相手が強かろうとマリィには関係ない。
食べられない相手を倒しても、つまらないからだ。
【★☆新連載スタート!】
先日の短編が好評のため、新連載はじめました!
タイトルは――
『伝説の鍛冶師は無自覚に伝説を作りまくる~弟に婚約者と店を奪われた俺、技を磨く旅に出る。実は副業で勇者の聖剣や町の結界をメンテする仕事も楽々こなしてたと、今更気づいて土下座されても戻りません』
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