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【書籍化】転生魔女の気ままなグルメ旅~婚約破棄された落ちこぼれ令嬢、実は世界唯一の魔法使いだった「魔物討伐?人助け?いや食材採取です」  作者: 茨木野
二章

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133.テクい魔女




 マリィは落雷ショック・ボルト一発で、マーサを撃破して見せた。

 倒れ伏すロリ魔女を見つめながら、リアラ皇女が呆然とつぶやく。



「あ、あんな凄い化け物魔女が、あんな……静電気みたいな一撃で、倒れるなんて……」



 端から見れば、そう見ていたのだろう。

 だが悪魔オセは首を振って言う。



『たしかにあれは、初歩の魔法、落雷ショック・ボルト。相手を麻痺させる状態異常魔法だ。攻撃魔法ですらない一撃だ』

「状態異常……つまり、攻撃力はないと?」

『ああ。だがあれのすげえとこは、魔法障壁をぶち破ってるところだ』

「障壁……?」

『ああ、隠蔽されていたが、マーサの体には幾重にも、敵の攻撃を防ぐ障壁が張ってあったんだよ』



 魔法への適性がない一般人からしたら、なんのことかさっぱりだろうが。

 しかし魔法適性の高い悪魔である、オセには見えていたのだ。



 マーサを包み込む、障壁が。



『あの何十何百にも張った障壁を、あんな初歩の状態異常魔法で、貫通できるわけがないんだ』

「すごいことってことです?」

『そのとおり。恐らくマリィは、魔法障壁の隙間をぬって、攻撃を当てたんだろう』

「隙間……」

『魔法障壁には、わずかだが隙間が存在する。その隙間を全部ぬって、敵に落雷ショック・ボルトを当てたんだ。針穴に糸を通すのを、何十何百回もやってのけたっていえばわかるかな。しかも、たった一度で』



 そう言われると、魔法に疎いリアラでも、マリィのすごさが伝わってきた。

 障壁をぶち破ったのではなく、障壁の構造を見抜いた上で、その穴を全部穿いてきたのだ。



 力業での破壊よりもテクニカルな所業であった。



「魔女殿、すごい!」

「魔女さますごいですー!」



 わっ……! と帝国の兵士たち、そしてカイトが笑顔でマリィに近づく。

 マリィはみんなに抱きつかれ、もみくちゃにされながらも……。



 チョコレートフォンデュに、惜しむような目を向けていた。

 恐らくもっとチョコレートぺろぺろしていたかったのだろう。



『ちなみに、あんなテクいことしたのって……?』

「消費魔力を抑えたかったからよ。大魔法で突破だと、その分お腹すいちゃうからね」

『ああ、そんなこったろうと思ったよ……』



 すごいんだか、すごくないんだか、よくわからない……。

 けれど、やっぱり凄い、魔女なのだと、オセは思うのだった。

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