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【書籍化】転生魔女の気ままなグルメ旅~婚約破棄された落ちこぼれ令嬢、実は世界唯一の魔法使いだった「魔物討伐?人助け?いや食材採取です」  作者: 茨木野
二章

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130.魔女vs魔女



 お菓子の城を背後に、マリィとマーサは相対してる。

 マーサは飴細工の大鷲にこしかけ、マリィを見下ろしてる。



 一方マリィは地面に立ち、その手には接骨木ニワトコ神杖つえが握られている。



「あなたたち、邪魔だから下がってなさい」

「!」



 マリィの言葉に、カイトが反論しようとする。

 自分も戦う、そう主張しようとした。



 しかしカイトは、マーサを見て息をのむ。

 マーサから感じる魔力の波動。



 それは、マリィ近いものがあった。

 魔法の衰退した世界において、この魔女魔女らは、上位の強さを持つことになる。



 ただの料理人風情の自分が、この二人の強者まじょの間に、割って入ることはできない。

 むしろ、足でまといになってしまうことは確定的に明らかだった。



 ぐぐっ……と血が出るほど、カイトは悔しそうに下唇を噛む。

 そんなカイトを見て、オセがため息をつくと、尻尾で優しくカイトの足を叩く。


『小僧。見上げた忠誠心だが、やめとけ』

「……はい。わかり、ました」



 カイトとオセが、ギャラリーであるリアラたちのもとへ向かう。

 マリィは杖から手を離す。



 ふわふわと杖は中空を移動し、カイトたちの頭上へと向かう。

 そこから、防壁の魔法が展開された。



 杖を中心とした、半球状の結界で、ギャラリーたちを完全ガード。



「……エゴイスト魔女が、随分と人に優しくなったじゃあないの」



 マーサはマリィの前世を知ってる。

 魔王に家族を殺され、その復讐のためにひたすら魔法を極めようとしていたことを。



 魔法の訓練以外何の興味も、生きる意義も見いだせなかった女が……。

 自分の持ってないものを持って、目の前に現れた。



 ムカつく……そう思ってるようだ。

 一方マリィは平静さを保ったまま言う。



「勘違いしないでちょうだい。わたしは別に、人に優しくなった訳じゃあないわ」



 カイトを守ったのは、自分に美味しい料理を提供する、最高の料理人を失いたくなかったから。

 他の連中をガードするのは、戦いの邪魔になるから。



 まあ、結局のところマリィの人への優しさだったりするのだが。



『素直じゃあねえなぁ、魔女さまよ』



 オセが苦笑しながら笑う。

 カイトも、そしてリアラ皇女も、マリィのことを信じていた。



「ありがとう、魔女殿……! 我らをお守りするだけでなく、我らのために悪しき魔女を討伐してくれること、深く感謝いたす!」



 マリィはちらっとリアラを一瞥するだけで、応じることはなかった。

 ごごご……とマーサからさらに強い体内魔力を感じたからだ。



「死ぬ前の最後のおしゃべりはすんだ? なら……死ね……!!!!!!」



 マーサは加えていた棒キャンディをひきぬくと、その先端をマリィにむける。



「広域展開!」



 マリィを取り囲むように、無数の魔法陣が空中に展開される。



「穿て! 魔法矢マジックアロー……!」



 魔法矢。魔力で作られた矢を光速で打ち出す魔法だ。

 並の魔法使いがこれを使うと、大人が拳で殴ったくらいの威力を持つ。



 ……が、それはあくまでも、並の魔法使いなら、の話だ。

 マリィを取り囲むのは数え切れないほどの魔法矢。



 それが恐るべき早さでマリィに向かって照射される。

 ずがががががががががががががががががががががががががががが!!!!!



『な、なんつー威力……! 魔法矢ってレベルこえてるぞ!』

「まるで流星群が地上に降り注いでるようだ……!」 



 オセとリアラ皇女がそれぞれ驚いてる。

 魔法矢は絶え間なく降り注ぎ、マリィを殺そうとしてる。



『おいおいおいおい! いつまで続くんだよ!』

「魔女殿……!!!!!!」



 いかに1本の威力がさほどなくとも、この数の矢をずっと受け続ければマリィといえど、死んでしまうだろう。



 やがて……静寂が訪れる。

 城の周りには森が広がっていたはずだった。しかし……。



『こ、荒野になってやがる……』

「草の根一本も生えてない……」



 それほどまでに、マーサの展開した無数の魔法矢による攻撃が、凄まじかったのだろう。

 さしものマリィも死んでしまった……。


『イヤちがう! アレを見ろ!』


 

 荒れ地の上にマリィが無傷で立っていた。

 興味なさそうに周りを見渡して言う。



「これで全力? 冗談でしょ」

「「うぉおお! 魔女殿ぉ! すげええええええ!」」



 帝国の兵士たちが両手とともに喝采を上げる。

 一方オセは首をかしげていた。



『あの数の魔法矢を、いったいどうやって防ぎやがったんだ……?』

「防いでないわ」



 マリィは堂々と言ってのける。



「魔法を、発動させなかったのよ」

『なに!? 発動させなかっただと? どういうことだ!』

「文字通りよ。魔法陣に指令を送ったの、マリィに魔法矢を当てないようにしろってね」



 魔法陣には、どこに向かって、どのような魔法を当たるなどの、魔法に対する外部命令が刻まれてる。

 マリィがやったのは、魔法陣に書かれてるその命令を、上書きすることだ。



「防壁で防ぐ、透過魔法でやりすごすにしても、あの威力の魔法矢をどうにかするには多くの魔力が必要だったわ。けど……」

『そうか、命令の上書きは魔法じゃあねえ! 魔力消費も抑えられるってことか!』



 マーサはそれを聞いて、悔しそうに歯がみする。

 さっきまでの余裕ぶった態度は、マーサから感じられなかった。



「……あんた、一度完成させた魔法の命令を、上書きするとか……どんだけレベル高いことやってるのか……わかってるの……?」



 ギリギリ……と悔しそうにマーサが歯がみする。

 それすなわち、自分にはできない高等技術ということだ。



「さぁ、興味ないわ」



 しかしマリィは自分の使った技術がどれだけ高等テクだろうと興味なかった。

 彼女にとって魔法とは、目的を達成するための手段でしかないのだ。



 その技術がどれだけすごいかなんて、どうでもいいのである。



「くそ……くそがぁ!」



 マリィが心の底から、興味なさそうにしてるのが、ムカついて仕方なかった。

 広域展開だって凄い技術だ。



 マリィに、どうだすごいだろうと自慢してやりたかった。

 だがマリィはそれを上回る力を見せつけてきたのだ。



「ぜったいぎゃふんと言わせてやる……!」

【★新連載はじめました!★】


タイトルは――


『「学園トップの美少女【雪姫】と付き合ってるなんてウソだよね!?」と王子さま系元カノが泣きながら僕に謝ってくるけどもう遅いです~浮気され傷心中の陰キャ高校生をめぐる壮絶な溺愛合戦~』


ページ下部↓にもリンクを用意してありますので、ぜひぜひ読んでみてください!

リンクから飛べない場合は、以下のアドレスをコピーしてください。


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★1巻10/20発売!★



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