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「あの泥の化け物が、禁書庫番人だと!?」


 蓬莱山ほうらいさんの、湖のほとりにて。

 リアラ皇女は、泥の化け物を見つめながら声を張り上げる。


 この化け物が、番人というにはあまりに異形すぎたからだろう。

 何かを守るというより無差別に攻撃してきたことから、とても番人とは思えなかった。


『根拠はなんだよ?』

「体内に宿してる魔力ね」

『魔力……?』

「ええ、あの魔力の波長には覚えがあるわ。あれは……確かにこの禁書庫の番人のもの」


 マリィはかつてこの禁書庫にきて、番人とあったことがある。

 その際、番人の保有する魔力の波長を、一度感じ取ったことがあるのだ。


「番人のそれと、あの化け物の波長は一緒だった」

「ま、魔力に波長なんてあるのですか! すごい……そんなこと知ってるなんて、さすが魔女様!」


 カイトが目をキラキラさせながら言う。

 だが感心してる場合ではなかった。



『どーすんだよ、番人暴れてるけど。元からあんな感じなのか?』

「ぐぼぉろぉおおおおおおおおおおお!」


 またも番人が泥を発射してくる。

 マリィは風の魔法を発動。


 泥は空中でボロボロと風化していった。

武装解除エクスペリの魔法……あんた、本当に器用だな』


 武装解除の魔法とは文字通り、相手の武装をこわし、無力化させる魔法のことだ。


「番人はおそらく、蓬莱山ほうらいさんの魔法使いによって、体を変質させられてるわ」

「! つまり……人面樹トレントと同じく、あの番人殿も化け物にさせられてると……?」


 リアラ皇女のといかけに、マリィがうなずいて見せる。


人面樹トレントをチョコにかえたように、番人を泥の化け物にかえたのね。性質を変化させる魔法が使えるみたいだし」

「すごい……さすが魔女殿! 我らでは見ただけでわからぬ事象を、一発で見抜いてしまわれるなんて!」



 感心するリアラ。

 だが次々と、番人は泥を打ち込んでくる。


 マリィは武装解除で応戦してるが、防戦一方といったところ。


『これからどうするんだ?』

「とりあえず、相手を無力化するわよ。話を聞きたいしね、こんなこと誰がしたんだって」


 蓬莱山ほうらいさんの魔法使い(暫定)の情報を、番人から仕入れるため、マリィは戦うことにした。


「やれやれ……お腹の足しにならないバトルは、やりたくないんだけどね」


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