第4話 ウッドストック村
結局、1週間寝込みそれから体力や食欲を戻すのにかなりの時間をとってしまった。
華曰く、予定では休憩などを挟んで30日で行くつもりだったらしい。
ただ、このまま体力が無さすぎるのも今後にも影響がするかもしれないと言うことで世界樹には徒歩で移動することとなった。
そもそも、なんで世界樹に行く予定だったのか私自身全く覚えていない。
もしかしたら、とりあえず行ってみよう的なノリで決めてしまったのかもしれないし。
「まずは、ルナの冒険用の服から装備から一式揃えないとな」
「それは、良いんだけどお金は?」
そもそも、私はこちらの世界に来てと言うか転生してからお金すら見たことがない。
「金は問題ない気にするな。それより今はこの村でとにかく体力を付けるように……というよりしっかり飯が食えるようになるまでは、この村に滞在だな」
「えー、それって私が辛くない?」
「まぁ頑張れ」
「あと2日は安静にして、3日後からは服やら何から何まで買い出しに行くからな」
「はーい。そう言えば、この村はなんて名前なの?」
「ウッドストック村と言うらしい。あと、この宿は部屋にお風呂も付いてるから使うといい」
「ふ〜ん。分かったよーありがと」
そっか、そうなると結構この村に滞在することになりそうだな〜。
さて、お風呂にでも入ろうかな〜って思ったら「風呂は3日後の朝に入れ」って言う顔されたよね……過保護なんだから。
「俺は少し買い出しに行ってくる、くれぐれも動き回ったり出歩いたりしないように。あと、食べられるようであれば隣の部屋に果実を置いておいたから食べるといい。じゃあ行ってくる」
そう言って、華は出ていった。
ん〜そんなにお腹すいてないんだよね〜。
それより、この部屋かなり広くない?
お風呂場もあるし、キッチンもあるのかな?
トイレやあともう一部屋あるみたい。
「どんだけ広いのよ」
1泊でいくらなんだろう?
お金は気にするなって言ってたけど……て言うか、華って何者?
そもそも、私と契約?したんだから私が主のはずよね?
なんで、あんな感じなの?
納得いかない!
ん〜考えても分からないし、ベットで横になってよ。
…………
いつの間にか寝ていたらしい。
窓の外を見ると真っ暗になっていた。
「喉乾いたな」
キッチンのある部屋に行くには、隣の部屋である華の部屋を通って行かないといけないので起こすと可哀想だから慎重にドアを開ける。
開けたら目の前に華が立っていた。
「なんだ起きたのか?」
「うん、喉乾いたから」
「ベットで待ってろ」
「うん」
華って、言い方は少しキツい?けど優しいのかな?
そんな事を考えながら、ベットに座る。
しばらく待っていると華が水を持ってきてくれた。
「身体の具合はどうだ?」
「うん、だいぶ良いよ。もしかして、薬かなんか飲ませてくれたの?」
「あぁ、薬というかポーションだな。それから私の使う癒しの魔法で少しってところか」
「そうだったんだ、ありがと。」
「初めは医者に診断してもらったんだが、あまりにもちんたらやるから診断結果だけを聞いて帰ってもらった」
「そのお医者さんって、お爺さんじゃなかった?」
「あぁ、そうだ」
やっぱりね。
この村は小さいみたいだし、もしかしたらって思ったけどやっぱりそうだったんだ。
「水を飲んだらさっさと寝ろ。明日は買い出しに行くんだからな」
「あれ?2日間は安静じゃなかったの?」
「もうその2日目の夜だ」
「そうだったんだ」
そう言うと、華は部屋を出ていった。
まさか、そんなに寝るとは思わなかった。
なんで、そんな眠ってるのか分からないけど、さっき華が癒しの魔法って言ってたし。
もしかして、私が寝た後にも癒しの魔法を使ってたのかな?
「考えても仕方がないし、もう寝よ」






